2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650459
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
齋藤 正博 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50301502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 恵 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (40365573)
西尾 温文 順天堂大学, 医学部, その他 (10599971)
込山 洋美 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90298224)
東山 峰子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (00600248)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | a |
Research Abstract |
本年度前研究として行った3家族のFITの結果を用いて、そのとり方、評価の仕方を考案者である東京大学特任教授亀口憲治先生に確認し、その結果を共同研究者と共有した。また、FITの解析を行ううえで、患児と家族に対するFITとFACESIIIの調査を行い、その結果よりまず臨床心理学的視点から分析、仮説生成を行い、次ぎにカンファレンスで仮説の検証・修正を行い視点を共有する、という流れ(シェアビジョン)を確認した。 本年度対象症例は3家族、そのうち1家族の基礎的な解析が修了し共同研究者による見立てを次年度に行う予定である。本年度基礎的な解析がすんだ症例は10歳女児急性リンパ性白血病の本人および家族(父・母)の入院初期である。両親に行ったFACESIIIでは、父が凝集性(家族間の情緒的なつながり)は膠着、適応性(家族に危機が発生した場合の家族システムを変化させる力)は無秩序、一方母の凝集性は膠着、適応性は無秩序で、これより判断される家族機能は極端群であった。患児のFITからは以下の仮説がたてられた。・家族の強い密着あり、これは父親のイメージと一緒・自分が家族の中で弱い存在と感じている。父のFITからは以下の仮説がたてられた。・家族全員が心理的に強くつながっている・自分が家族の中心・世代間境界不明確。母のFITからは・家族全員の強いつながり・夫婦間の強い結びつき・弟は父に近く、患児は母に近い。FACEIIIとFITから家族間の強いつながりが感じられた。本人の家族イメージが自分を弱く感じているのは病気と関係あるのかもしれない。 今後治療に伴う家族の変化をさらに解析する予定である。また来年度新規症例を増やし解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施の平成24年夏までには、研究者と検査手順を確認し該当症例に対し検査を開始する予定であった。しかしながら、FITを行うにあたり具体的な検査手順について検査開発者に確認する事項がいくつかあることが判明し、検査開発者に確認するのに時間を要した。また、検査の具体的な手順について見直し手順の改正を行ない研究分担者に手順の確認・理解を得るのに時間が必要であった。さらに研究代表者が療養のため1か月ほど自宅待機となり、また職場に復帰後も活動時間の制限があったため、研究分担者との連携がうまく進まず、該当症例などへ検査を行うようになったのは平成25年1月以降となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新規研究対象症例に対して検査の承諾・実施・解析・考察の手順について確認できたので、来年度は対象症例を順次研究予定である。また本年度の実績から研究対象となる新規症例は8症例程度と考えられる。研究代表者および研究分担者が参加している児童精神カンファにおいて対象症例を確認し、その後研究承諾が得られた症例についてはその会議において具体的な検査日時を確認する。また、研究協力者に結果の解析を依頼し、月1回程度研究代表者および研究分担者、研究協力者を交えて解析結果について考察し、FITとFACESIIIの関連性・妥当性などについて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
FITの解析およびシェアビジョンの理解のため教科書を購入する。また、結果の解析に必要な分析法、統計法の図書を購入する。研究分担者とデータの分析・見立て(シェアビジョン)をおこなうカンファレンスを開催する。また、小児がんに対する知識、こどもと家族心理の知識を深め最新の情報を得る目的に関連の国内外の学会、研究会に参加するため旅費を使用する。情報を研究分担者を含め共有するため、カンファレンスを開催する。結果をまとめるため研究協力者を雇用し資料の作成などを依頼する。結果を12月に行われる小児血液・がん学会で発表し、論文にまとめ発表する。
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