2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650459
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
齋藤 正博 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50301502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 恵 順天堂大学, 医学部, その他 (40365573)
西尾 温文 順天堂大学, 医学部, その他 (10599971)
込山 洋美 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90298224)
東山 峰子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (00600248)
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Keywords | 小児がん / 家族支援 / 家族イメージ法 / 家族機能評価尺度 |
Research Abstract |
目的:小児がん患児の闘病には家族の安定した関わりが欠かせない。長期に及ぶ治療過程で、家族を視野に入れた早期からの支援は重要である。しかし、現代の多様化した家族の様相を素早く見極め、関わることは容易ではない。本研究では、家族療法のアセスメント手法である、家族機能評価尺度(FACESIII)日本語版(草田ら、1992)、及び、家族イメージ法(FIT)(亀口、2003)が、1)小児がんの家族を理解する上で有用か、2)治療時期による家族の継時的変化を捉えるか、3)FACESIIIの値に対照群との違いや継時的変化は見られるか、を探索的に検討した。 方法:1),2)は、6歳以上の患児と家族、のべ14家族を対象に、入院初期、中期、退院時に調査を実施した。3)の対照群として、家族構成を統制した22家族の保護者に協力を得た。調査結果を家族単位で速やかに分析し、多職種協働ミーティングで視覚的に提示し、2つの検査が家族の様相を捉えているか検討した。 結果:1),2)検査によって患児を巡る家族のつながりや関係の一端が如実に現われた。特にFITは、臨床で見られなかった家族の力動や特徴を捉え、新たな支援の切り口が見つかるケースもあった。時期による家族関係の変化も検査によって捉えられた。また、調査自体が感情表出や語りの場となり得ることも示唆された。多職種協働ミーティングでは、結果が視覚的に把握できるため情報交換が活発化し、メンバー間の家族イメージが収束・共有に向かう可能性が示された。3)欧米の報告とは異なり、統制群に比べ、家族機能が不安定な家族が見られ、また、時期により変化する可能性が示された。 考察:家族を1つの単位と捉え評価することが、多様な家族に対する有効な支援につながると考えられた。
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