2012 Fiscal Year Research-status Report
研究関連組織の科学普及活動実践者のキャリアパス:実態と可能性
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24650512
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久利 美和 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90374917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 祐子 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80435502)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度は、科学普及活動にこれからかかわることに関心のある人材の現在の意識、現在科学普及活動にかかわる人材の就業形態の実態、またそれらの人材からの企画の有料化の可能性についての意見収集、を実施した。 5月の幕張メッセで行なわれた地球惑星科学連合大会において、科学普及活動関係者(とくに、科学教育、防災教育、自然保護、地域産業活性化など様々な視点を持つ各地域のジオパークの運営に携わる人材)と、科学普及活動に興味関心のある学生のキャリアパスについての意識について、情報収集を行なった。7月に大学および社会教育施設の科学広報に関わるメンバーにより、キャリアパスとして選択するまでの経緯や動機のインタビューと、これからの人材育成に関する意見交換を行ない、「企画の有料化」についての意見収集を行なった。10月には長野県で行なわれた火山学会(地球惑星科学分野)のアウトリーチ企画におもむき、企画運営補助を志願した学生に、その動機や、これまでの活動経験、今後の企画への関わり方に関する希望について意見収集を行なった。11月は科学技術社会論学会において、「サイエンスカフェ」をテーマとしたセッションを運営し、双方向性企画のニーズ、企画の有料化の可能性、について情報収集や意見交換を行なった。12月は「法・災害・プライバシー」をテーマに公開企画を実施。また惑星科学分野ので関連の取組に関するセミナーに参加し、情報交換を行なった。2月は本助成事業の中間報告と意見交換として、講師として、3名を招集し、公開企画として、「サイエンスコミュニケーション活動の事業化に関する検討会」を開催し、新たな視点での知見を得るとともに、各種聞き取り調査などから得られた情報を検討する機会を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画した国外調査について、国外での研究発表とあわせて実施予定であったが、希望する学会での採択に至らず、計画2年目で実施となったため、国外調査に遅れが生じている。しかしながら、採択されなかったことで、国内での「企画の有料化」への具体的取組み例について、教育重視やエンターテーメント要素の強い一方向性の企画のみならず、双方向性が有効となるとりくみの具体例、参加者の意見発露やそれを発展させた活動への昇華としてのニーズ、産学連携の場としてのニーズなど、多様性と具体性が深まり、海外調査においてより具体性の高い内容で取り組めることとなった。国内調査については順調に進んでおり、教育普及施設や公共性の高いNPO法人団体に所属する従事者だけでなく、大学との協力関係の強い個人事業主や少人数企業として実績をつみあげている事例およびその運営(経営)の現在の特徴と今後の発展性について、知見を得ている。現時点では、狭義での科学普及活動は複数の助成金を通じての経営が主体となっている実態が浮かび上がっており、受益者負担を原則とは相容れない状況が明らかになった。一方で、広義での活動は、受益者負担の可能性も見えており、今後、ブランド化することで、「有料化」の可能性が見えてきている。一方で、助成金や受益者負担ではない、寄付の形体についてが今後の検討課題であることがみえており、海外の事例との比較検討項目となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、国外調査として、10月中旬に行なわれる米国サンディエゴでの4Sミーティングでの「サイエンスコミュニケーションでの対話の場の形成:理論と実践」セッションプロポーザルが採択されている。会場にて、双方向企画の主催者の意見収集の場としての活用、政策決定、市民の同意形成、化学物質の受容、遺伝子組換え作物の受容について、討論型の発表を予定している。また、同学会のセッション外において、寄付での企画運営の事例について情報収集を予定している。国内においては、初年度に引き続き地球惑星科学連合大会(5月開催)など、いくつかの学会の場を活用するととも、夏休みなどの長期休暇に行なわれ企画の実地調査を行ないつつ、主に「ジオパーク」の運営に関する情報収集を行い、解析予定である。また、一方向ながら、教育重視やエンターティメンと要素の高い企画の「有料化」企画の事例と解析、現在は無償企画として行なわれている「双方向性」の高い企画の「事業化」の可能性の仮説にもとづく、実証研究を実施の上、参加者アンケートなどを実施の上、解析予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初平成24年度に予定していた海外調査は平成25年度に延期し、延期した海外調査と、データ入力の謝金の使用については、当初予定していた平成25年度の国内調査費や会議費とあわせて使用予定である。 平成25年度の使用は下記の通り、海外調査・研究成果発表(旅費・聞き取り調査のテキスト化)、国内でのインタビュー調査(旅費・聞き取り調査のテキスト化)、有料企画の実証研究(参加者アンケートの統計処理)・研究集会(会議費・招聘旅費)・成果発表(会議費・招聘旅費)の開催を予定しており、経費を使用予定である。
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Research Products
(6 results)