2014 Fiscal Year Research-status Report
日常生活に科学リテラシーを生かす教材の開発と実践ー跳び箱の恐怖心をなくすー
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24650516
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
林 英子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (40218590)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日常生活における理科 / 跳び箱運動 / 慣性の法則 / サイエンスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
科学リテラシーの一つである慣性の法則を、跳び箱を飛ぶことの恐怖心をなくす点において体育の学習に生かせるのではないかという仮説を検証することを目的に研究を行っている。具体的には,跳び箱に模した実寸大の机の下をくぐり抜けながらボールを打ち上げる台車を作成し,走行する台車からのボールの打ち上げを観察することで,跳び箱を飛ぶ際に助走を殺さずに真っ直ぐ上にジャンプすれば良いという認識についての効果を確認することである。 本年度行ったことは以下の2点である。 ①実寸大観察教材の完成:跳び箱に模した机の下をくぐりながらボールを打ち上げる演示装置作成において,昨年度残っていた課題,(1)台車の走行速度及び安全性,および,(2)ボールの打ち上げ方法と打ち上げ位置,について解決した。これまでは自走式の装置を開発していたが,牽引走行式に変えることで,走行速度を改善し,また,走行する台車が観察者に向かって暴走してしまうことに対する安全を確保した。さらに,走行時にボールを打ち上げる位置についても制御することができた。やっと授業で演示可能なレベルまで完成した。 ②実寸大打ち上げ装置の演示効果の調査:大学院生に演示装置の観察についての意識調査をアンケートでおこなった。また,附属中学校と連携研究を行い,跳び箱を飛ぶ際への意識調査を行った。具体的には,演示の前と後で,慣性の法則の体験により跳び箱を飛ぶことへの意識が変わったかをアンケート調査した。既に跳び箱を跳べる生徒が多かったが,助走速度を落とさずにジャンプすることについて,理解が高められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
跳び箱に模した机の下をくぐりながらボールを打ち上げる演示装置を作成において,ボールの打ち上げ方法,台車の走行速度に問題があり,装置が完成したのが2014年10月となった。このため演示による調査に遅れが生じた。 完成した打ち上げ台車を用いて,附属中学校において,ボール打ち上げによる慣性の法則の実演による効果を確かめることができた。 2014年12月の理科教育学会関東支部大会では,跳び箱運動に関する意識調査と演示器具の作成について発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度,中学校において行った実寸大模型による慣性の法則の演示効果をまとめ,8月の理科教育学会で発表する。 また,実寸大ボール打ち上げ台車の作製と跳び箱を飛ぶ意識に対する演示効果についての論文の投稿する。 小学生についても跳び箱運動に対する演示効果について調査を行う。 最終年度の取りまとめを行う。
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Causes of Carryover |
跳び箱の下をくぐり抜けながらボールを打ち上げる実寸大台車の作成について,走行速度およびボールの打ち上げに問題があり,装置が完成したのが2014年10月となった。このため演示による調査に遅れが生じ,一部の調査しか行えず,演示補助の人件費,アンケート集計の人件費の一部を使用しなかった。また,毎年8月に開催される理科教育学会での発表に間に合わず,12月の関東支部大会で発表したのみで旅費のほとんどを使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2014年度に遅れが生じた2つの項目を行うために使用する。一つは,打ち上げ台車による慣性の法則の演示実験の効果の調査ための費用で,調査用印刷物,撮影用の消耗品,器具の修理用消耗品,および,調査補助者(演示,アンケート集計)の人件費である。もう一つは,研究成果を,8月の理科教育学会にて発表するための旅費等の経費に用いる。
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Research Products
(1 results)