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2013 Fiscal Year Research-status Report

科学教育のための温室効果実験器の開発

Research Project

Project/Area Number 24650518
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

土橋 一仁  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20237176)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松本 伸示  兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (70165893)
Keywords自然科学教育(理科) / 温室効果
Research Abstract

本研究の目的は、温室効果を実験室で再現するモデル実験器を実現することである。地球温暖化の主要因として、今や温室効果は極めて重要なキーワードとなっている。しかし、その原理は正しく理解されておらず、むしろ誤った理解が社会に浸透している。これは、温室効果の原理を正しく学習するための適切なモデル実験が存在しないためである。ここ数年,我々は温室効果を再現するための実験器の開発にチャレンジしてきた。この間、開発を成功させるための問題点を洗い出し、そのほとんど全てを解決することができた。本研究では、残る最後の問題「透明な地球大気のモデル化」を解決し、実験器の完成を目指す。
地球大気のモデル化を実現するためには、1気圧の窒素や二酸化炭素を可視光でも赤外線でも透明な容器に封入し、真空中に長時間保持しなければならない。この容器を空気箱と呼ぶ。本研究では、これまで、アクリル製(赤外線で不透明)の容器に岩塩(可視光でも赤外線でも透明)の窓材を設置して空気箱の作製を試みてきたが、実際に試作してみると、脆弱な窓材との接合部からの空気漏れがなかなか止まらず、長時間安定して1気圧を保持することが難しいことが分かった。平成25年度は、この空気箱の問題の解決に取り組んだ。当初、最初の数ヶ月で空気漏れの問題を解決できると考えていたが、空気箱は真空中に設置してあるため漏れが起きている箇所を特定するのが難しく、また実験を行う温度環境(マイナス40℃程度)も過酷なので、空気箱の改良作業は難航した。結局、空気箱全体をステンレス製にし、さらに窓材を固定する部分に大型のボルトを多量に使用する等、設計や材料を工夫して試行錯誤を重ねた結果、数日程度の実験時間中であれば、窒素と二酸化炭素で交互に中身を満たしながら真空中で1気圧を保持できる空気箱を実現することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

真空中で1気圧の大気を保持するための空気箱の開発・改良が、当初の予想以上に難航した。空気箱は真空中に設置してあるため、空気箱に触りながら空気漏れの箇所を確認するための作業を行うことはできない。空気箱の周囲に粒状の発砲スチロールや軽量の紙を配置し、空気漏れの箇所を1つ1つ特定しながらボルトの締め具合やパッキンの厚み等を調整するのだが、1つの作業を行う度に真空引きから設定しなおさないとならないので、作業には予定よりかなり多くの時間を要した。また、改良作業は主に室温で行ったが、実際の実験は低温(マイナス40℃程度)で行う。常温では空気漏れもなく正常に作動しても、実験環境下では再び空気漏れする等のトラブルが出た。空気箱をアクリル製にしたのは、将来的に外から観察できるよう可視光で透明で、加工しやすい素材を求めたからである。しかし、結局、空気箱の素材としてはアクリルを諦め、全体を頑健なステンレス製にすることにした。また窓材の固定部分に大型のボルトを多数使用し、さらにパッキンの形状や厚みも経験的に最適化するなどの工夫をすることで、空気箱を実用に耐え得るレベルに改良することができた。
以上、一連の設計・試作・修正作業に、予想をかなり上回る時間と労力が必要だったことが、遅延の原因である。

Strategy for Future Research Activity

高価な岩塩は脆弱で、湿度にも弱い。よって、空気箱の改良テストを行っていた平成25年度末の段階では、空気箱の窓にはダミーの窓材(アルミ板)を装着している。平成26年度初頭にこれを岩塩に変更して空気箱の空気漏れや耐圧テストを行いつつ、内部に乾燥窒素や二酸化炭素を交互に封入して温室効果実験を行う。
作製した実験器では、二酸化炭素による温室効果は地面に見立てた銅板の僅かな温度差(0.5℃程度)となって現れることが期待される。まずはその温度差検出することを目指す。年度の前半にこれを検出したい。年度の後半には、実験結果の検証と、実用的な教材化を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

地球大気のモデルである空気箱の改良が難航し、再設計・再試作にかなりの時間を要した。そのため、平成25年度内に行う予定であった実験を延期せざるを得なくなったので、そのための謝金等の経費を繰り越すことにした。
試作した実験器の最終点検を行いつつ、実験を開始する。繰り越した経費のほぼ全てを、実験の遂行やデータの整理のための謝金として年度の前半(4~7月)に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 東京学芸大学の教員志望学生を対象とした金環日食観察会2013

    • Author(s)
      下井倉ともみ,土橋一仁
    • Journal Title

      地学教育

      Volume: 66 Pages: 1-11

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 非理科生を対象とした小学校理科の指導に関する全国調査2014

    • Author(s)
      下井倉ともみ,土橋一仁
    • Organizer
      日本天文学会春季年会
    • Place of Presentation
      国際基督教大学(東京都三鷹市)
    • Year and Date
      20140319-20140319

URL: 

Published: 2015-05-28  

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