2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650540
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
糸井 充穂 日本大学, 医学部, 准教授 (40422448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田近 謙一 日本大学, 医学部, 教授 (30155072)
宇田川 誠一 日本大学, 医学部, 教授 (70193878)
田代 健治 日本大学, 医学部, 教授 (90060037)
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Keywords | 医学教育 |
Research Abstract |
25年度は前年度に引き続き、(1)ハイスピードカメラを用いた統計測定と(2)JAVAによる生物・物理学の視覚補助教材の教育効果を調べた。 (1)ハイスピードカメラを用いた統計測定:24年度は桜の花びらの落下運動を撮影し、その画像から位置、落下速度、回転周期などの観測パラメーターを求めた。しかしながら桜の花びらの運動が3次元的であること、花弁の色が淡いため撮影した写真のバックグラウンドの境界が曖昧になりやすいことから、正確に解析できる画像をたくさん得ることが難しかった。そこで25年度は学生とともに撮影法および画像解析の方法を詳しく調べた。まず、色の異なる球体の落下運動を白や黒など、異なる背景で撮影した。また、光度を調節し、解析に適した鮮明な画像を撮る方法を調べた。つぎに、ハイスピード動画から写真に分割した写真と60枚/秒の連写で得られた画像のどちらが落体の運動が正確に解析できるかどうかを調べた。さらに、大量の画像を解析できるように、C言語によるプログラムを作成した。教育の面では、実験の目的をより明確化させるように、オリジナルの実験ノートを作成し、毎回学生に記入させた。 (2)JAVAによる生物・物理学の視覚補助教材:昨年度に続き、自然科学実習(1年生対象の物理学実習)において「JAVAによる神経の活動電位のシミュレーション」を試行した。学習効果をはかるため、アンケート調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
25年度では、昨年度と同様、「ハイスピードカメラを用いた統計測定」において、十分な成果が得られた。測定条件も明確になり、解析法もプログラムを作成したことによって、初めての学生でも時間をかけずにある程度行えるようになった。また、画像を取り扱うため、学生の興味を引き出しやすく、学生の主体性も引き出しやすい。したがって、このテーマは概ね順調に進んでいる。しかしながら、「NMRを用いた生体組織のコンピューター計測」では、計測機器の購入が遅れたこと、また生体試料の扱いが難しく、測定に適した試料を現時点で模索していることなどから、計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、「ハイスピードカメラを用いた統計測定」を完成度の高い教材として発展させてゆく。また、「NMRを用いた生体組織のコンピューター計測」では、共同研究者とともに扱いが容易で学生が興味を持つであろう測定試料を模索し、実習用の教材に使用できるように完成させてゆく。フィードバックのためのアンケート調査(24年度~26年度)から、教育効果についての3年間の推移を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究課題の一つである、「NMRを用いた生体組織のコンピューター計測」の実施が遅れており、そのための物品の購入が滞ってしまったため。 26年度は「NMRを用いた生体組織のコンピューター計測」に適した試薬および試料を重点的に探し、「NMRを用いた生体組織のコンピューター計測」を教育用教材として完成を目指す予定であるので、未使用額を試料や試薬の購入に当てる予定である。
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