2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育を革新するポスト・ラーニングコモンズの創出
Project/Area Number |
24650546
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹内 比呂也 千葉大学, 文学部, 教授 (10290149)
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Keywords | 大学図書館 / ラーニングコモンズ / 学習行動 / 情報利用行動 / アクティブラーニング / 学士課程教育 |
Research Abstract |
大学の学習基盤として、図書館による学習コンテンツの提供,ラーニングコモンズの整備およびそこでの学習支援サービスの提供が学生の学習行動,情報利用行動にどのように影響を与えるかを明らかにし,効果的な学習環境整備の方向性を示すことを目的として,1)質問紙による学習行動,情報利用行動基本調査,2)ラーニングコモンズ空間での学習,情報利用を明らかにするためのフォーカスグループインタビュー調査,3)ラーニングコモンズでの学習空間の利用を明らかにするためのカメラ,センサーによる観察,4)図書館内での印刷資料利用状況把握のためのRFIDシステムや資料返却トラックを用いた調査.5)大学内外での学習行動を明らかにするための,写真記録とインタビューを組み合わせたフォトボイス調査を実施し,定性的、定量的分析を行った。 この結果,1)学習空間として,会話可能な空間も静寂な空間も同程度に好まれている.2)個人学習席と集団学習席の近接は望ましい,3)椅子や机は動かせることが重要だが,同時に空間的余裕が必要である,4)可視的な学習空間は学生の意欲を高める,5)学習リソース(図書等)と空間が近接することで,発展学習や自学自習が促進される,6)館外貸出状況の調査だけではわからない館内資料利用パターンが存在する,7)個人学習が基本的学習スタイルであり,単にグループワーク課題を出しただけでは学生は協働しない,8)カリキュラムに関連しない学習や情報収集も多く見られ,それらの多くは各自の進路,専門分野,興味関心と結びついているといったことが明らかになった。 これらの結果は,調査対象とした学習環境が学習の促進という点から一定の成果をあげつつあること,学習行動の多様性と環境の嗜好における個人差が大きいこと,多様性に対応できる学習環境整備が重要であることを示唆している。
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Research Products
(2 results)