2013 Fiscal Year Research-status Report
成績評価理論に着想を得た大学における学修評価指標の研究
Project/Area Number |
24650562
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
奥田 隆史 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (20204125)
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Keywords | 成績評価 / GPA / 野球評価理論 / セイバーメトリクス / マルチエージェントシミュレーション |
Research Abstract |
我が国の大学においても,GPA制度が導入され,これまで単位取得という学修の“量”だけに着目しがちであった大学の成績評価を,その“質”も重んじるという効果をもたらしている.一方で,GPAを下げることにつながるリスクを回避するために,学生がとる履修行動(成績評価が厳しい科目の履修回避,履修科目数の自主制限)が問題になってきている.つまり,GPAシステムには,学修意欲を向上させる正のインセンティブだけでなく,負のインセンティブをも含んでいる.そこで,本研究では,野球における打者成績の質(単長打・凡打等)と学業成績の質とのアナロジーに着目し,野球選手評価数理理論セイバーメトリクスの着想を,大学における成績評価へ適用し,GPAに代わる新しい成績評価指標を提案するとともに,その有効性を検証する. 目的を達成するために,申請者がこれまでに培ってきた基礎技術(マルコフ連鎖,マルチエージェントシミュレーション技術と行動経済学)を利用し,次の3つの手順:①評価手法の確立:成績評価指標の考案と学生の履修・学習行動エージェントモデルの確立,②提案評価指標の評価:マルチエージェントシミュレーションによる評価指標の検証,③提案評価指標の適用・検証:アンケートによる評価指標の適用・検証とまとめ,で研究を推進する.平成25年度は平成24年に実施した①評価手法の確立をベースに,②提案評価指標の評価に取り組んだ.また,予備的なアンケートを実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,目的を達成するために,申請者がこれまでに培ってきた基礎技術(マルコフ連鎖,マルチエージェントシミュレーション技術と行動経済学)を利用し,次の3つの手順:①評価手法の確立:成績評価指標の考案と学生の履修・学習行動エージェントモデルの確立,②提案評価指標の評価:マルチエージェントシミュレーションによる評価指標の検証,③提案評価指標の適用・検証:アンケートによる評価指標の適用・検証とまとめ,で研究を推進している. 平成25年度は②提案評価指標の評価:マルチエージェントシミュレーションによる評価指標の検証に取り組み,研究成果を教育工学会研究会で公表することができた.また,エージェントの行動モデルについて様々な検討を行い,その成果を公表することができた.さらに研究成果の一部を所属大学のFD研究会へと還元することができた.以上の公表や還元状況から順調に推進していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究は次の計画で推進する. 目的を達成するために,申請者がこれまでに培ってきた基礎技術(マルコフ連鎖,マルチエージェントシミュレーション技術と行動経済学)を利用し,平成26年度は③提案評価指標の適用・検証:アンケートによる評価指標の適用・検証とまとめ,に取り組む.具体的には平成25年度までに得た評価指標について,大規模なアンケートを実施し,その有効性と実施における問題点を明らかにする.また,開発プログラムやデータの整理を実施し,本研究プロジェクトをまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シミュレーション用システムを購入予定であったが,購入予定機器が新しいOSを利用するため,リリース時は不安定であることから購入を次年度に延期した.また,旅費は公費を充当した. 新しいOSを利用したシミュレーション用システムを購入し研究を推進する.また,旅費を有効に活用し研究を進めていく.
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Research Products
(2 results)