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2012 Fiscal Year Research-status Report

近現代科学史資料のアーカイブ化に関する研究─坪井誠太郎地質学史資料の分析から─

Research Project

Project/Area Number 24650583
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionKanazawa Institute of Technology

Principal Investigator

栃内 文彦  金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (50387354)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords科学史 / 文化資源統合アーカイブ / 地質学史 / 坪井誠太郎
Research Abstract

本研究の目的は,近現代科学史資料の体系的・効率的な収集・保存のための方法論の確立に向けた実践的考察を,東京大学大学院情報学環社会情報研究資料センター(以下,「センター」)収蔵の地質学者・坪井誠太郎に関する資料(以下,「坪井資料」)の分析によるアーカイブ化の試みを通して行なうことである.この目的の達成に向け,平成24年度には:
1)坪井資料の概要調査と,資料価値の高い資料の抽出・デジタル化
2)抽出・デジタル化された坪井資料の質的分析,および,それを踏まえてのアーカイブ設計
を行なうことを計画した.
この計画に対し,先ず,坪井資料の概要調査と資料価値の高い資料の抽出・デジタル化に関しては,本研究を開始した時点で未調査のまま保管されていた資料の概要調査を進めた結果,分量にして資料全体の7割程度について,その概要を把握することができた.資料の多くは,坪井の研究に関わる各種文献(学術書,論文,学会誌など)である.研究に関わる手書き文書類(研究ノート,野帳,メモ,手紙,写真や図版)や私的な資料(手紙や葉書類,プライベートな旅行などの写真類)も多く残されている.これらの内,特に興味深いのが坪井の研究に関わる手書きの文書類であり,優先的にデジタル化(デジタルカメラによる複写,文字情報のテキストデータ化)を進めている.
次に,デジタル化を進めている資料(坪井の研究に関わる手書きの文書類)の質的分析からは,坪井の日本の地質学界に与えた影響が,従来の知見以上に大きいと思われる結果が得られつつある.アーカイブ設計については,具体的な検討には至っていないが,充実したメタ情報を付与することや,センターが構築したデジタルアーカイブと関連付けることなどを模索している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「研究実績の概要」で述べたように,本研究の目的は,近現代科学史資料の体系的・効率的な収集・保存のための方法論の確立に向けた実践的考察を,地質学者・坪井誠太郎に関する資料の分析によるアーカイブ化の試みを通して行なうことであり,この目的の達成に向け,平成24年度は,1)資料の概要調査と,資料価値の高い資料の抽出・デジタル化,さらに,2)抽出・デジタル化された資料の質的分析,および,それを踏まえてのアーカイブ設計,を行なうこととした.
この計画に対し,資料の概要調査および重要資料の抽出は順調に進められ,分量にして資料全体の7割程度について,その概要を把握し,その中から内容を詳細に調査すべき資料を抽出することができた.
抽出した資料のデジタル化に関しては,デジタルカメラにより複写(画像データ化)した上で,画像の補正(歪みや色調の補正,画質の鮮鋭化など)の作業や,テキストデータ化の作業を,外部業者に委託して進めており,平成24年度末までに複写された資料の内,およそ四分の一あまりについてデジタル化を終えている.
アーカイブ設計については,資料の所有権,プライバシー関連の要考慮事項など,アーカイブの構築・運用(公開)に向けての制約条件が本研究の着想時に想定していた以上に多く,平成24年度末の時点では,具体的な検討には至っていない.
以上より,「研究の目的」の達成度は,「おおむね順調に進展している」と評価する.

Strategy for Future Research Activity

「現在までの達成度」で述べた通り,これまでの研究はおおむね順調に進展している.したがって,今後の研究も,おおむね当初の研究実施計画に沿って推進する予定である.
具体的には,平成25年度においては,1)平成24年度に引き続いて,坪井資料の概要調査を実施し,資料価値の高い資料の抽出を行なう.概要調査は,平成25年度で終えることができる見込みである.抽出した資料のデジタル化は,これまでに抽出した資料のデジタル化と共に鋭意進める.2)抽出・デジタル化した資料の質的分析を進め,アーカイブの要件定義(設計)を行なう.
平成26年度(最終年度)においては,1)アーカイブの構築・運用を行ない,2)近現代科学史資料の収集・保存のあり方の一つとして,坪井資料アーカイブの構築(資料収集・分析・アーカイブ設計)から運用(維持・発展)にいたるノウハウを手順としてまとめる.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額は244円であり,実質的に「該当なし」である.当初の研究計画では,平成25年度に使用する研究費は90万円(直接経費)であるが,旅費として約40万円(概要調査を3~4回,連携研究者との打合せを2~3回,学会などへの参加を1~2回),資料のデジタル化の作業(外注)に約45万円(平成24年度は,約360件の資料のデジタル化で約12万円.平成25年度は1200件程度を予定している.なお,申請では「人件費・謝金」に計上しているが,「その他」扱いとなる),消耗品の購入などに約5万円を使用する見込みである.

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 「坪井誠太郎資料」の意義─同資料の概要調査から得られた知見─2013

    • Author(s)
      栃内文彦
    • Journal Title

      東京大学大学院情報学環 社会情報研究資料センターニュース

      Volume: 第23号 Pages: 1~6

  • [Presentation] 地球科学史資料のアーカイブ化:坪井誠太郎資料調査からの知見より

    • Author(s)
      栃内文彦
    • Organizer
      日本地球惑星科学連合
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県)
  • [Presentation] 地球科学史資料のアーカイブ化─坪井誠太郎資料の分析とアーカイブ化の試み─

    • Author(s)
      栃内文彦
    • Organizer
      科学技術社会論学会
    • Place of Presentation
      湘南国際村センター(神奈川県)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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