2013 Fiscal Year Research-status Report
「地理の第1法則」を正しく検定する革新的な空間自己相関法の開発
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24650606
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岡部 篤行 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (10114050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 育穂 中央大学, 理工学部, 教授 (00594756)
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Keywords | 空間自己相関 / モラン / ローカル統計 / グローバル統計 / 統計的検定 / 組み合わせ法 / 第一種の過誤 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の3つである。第1に、空間自己相関指標であるローカルとグローバルモランIを使ったランダム正規変数法とランダム組み合わせ法が、実際の実証データ分析で使われる各種条件(地区数、属性値が離散か連続か、どんな確率分布形かなど)に応じて、どの程度に誤った結論を導き出しているかを研究する。第2に、上記条件に応じて、正しい結論を導き出す空間自己相関の新たな統計的検定方法を開発する。第3に、新たな統計的検定方法を実装し、それを使用して、実際に使われる上記条件のもとで正しい結論を導き出すかどうかを実証的に検証する。24年度は、主に目的1の研究を行い、25年度には、主に目的2の研究を行った。 具体的には、グローバルモランについて大規模シミュレーションにより一般的な有意水準の棄却限界値を推定し、その安定性と利用可能性について検証を行なった。その結果、第1に、1セットのシミュレーションにより得られる棄却限界値にはばらつきがあり、検定結果に影響を与える。しかしながら大規模シミュレーションを多数繰り返して平均をとることにより、安定した限界値を算出できた。第2に、地区数の増加に応じて、棄却限界値の理論値と平均シミュレーション値の乖離が小さくなることが確認された。第3にシミュレーションにより得られる棄却限界値の標準偏差は、地区数の増加に応じて減少することが明らかになった。従って、地区数が少ない場合には、繰り返し回数あるいはセット数を増やすことにより、安定性を向上させることができると推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した研究が、ほぼ予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
グローバルモランについては、大体、目処がついたので、その知見をもとに、ローカルモランについて研究を進める。かつ次年度が研究最終年度となるため、これまでの2年度で行ってきた研究成果の総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大規模なシミュレーションを行うために、リサーチアシスタントとして学生を雇用しているが、担当者を見つけるのに時間が掛かり、雇用開始の時期が遅れたため。 担当学生が定まったので、遅れた部分を次年度に使用する。
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Research Products
(3 results)