2013 Fiscal Year Research-status Report
小渓流に設置した小水力発電施設が生態系に及ぼす影響と評価に関する研究
Project/Area Number |
24651026
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島谷 幸宏 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40380571)
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Keywords | 小水力発電 / 生態系 / 底生動物 / 渓流 / ステップ&プール河道 |
Research Abstract |
岡山県津山市を流下する加茂川において、小水力発電施設による減水前(上流)、減水後(下流)の底生動物と物理環境を調査した。物理環境から、渓流ハビタットをカスケード、ステップ、プール、早瀬、平瀬、淵に分類した。カスケードとは小滝が連続する渓流形態で、横断方向に石列が連続するリブと呼ばれる構造が発達し、リブ部で限界水深が発生し、極めて乱れた流れとなる。ステップはプールとセットであり、大きな落差のことである。プールはスッテプから落ち込んだ、比較的水深の深い静水部である。小さなプールの場合は流速が早い淵も見られる。早瀬とは射流の瀬であり、平瀬とは常流の瀬である。 底生動物調査はこれらのハビタットごとに採取した。現在のところまだ分析中であるが、減水部と非減水部では現存量に差があることは確実である。昨年の調査では減水率50%の河川において現存量に大きな差はなかったが、加茂川では減水率が80%であり、この減水が底生動物に影響を与えた可能性が考えられる。 また、福岡県糸島市の、小水力発電施設が建設前の川付川について底生動物の事前調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では宮崎県五ヶ瀬町の山付川においても小水力発電施設が稼働する予定であったが、建設が遅れている。一方、糸島市の川付川においては、予定通り小水力発電施設が設置され、事前のデータが取得できた。あわせて、既設の水力発電施設に対して、研究を実施したため、おおむね予定通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
福岡県糸島市の川付川に小水力発電施設が完成するため、完成後の減水による底生動物への影響を調査する。前年度、前前年度の成果もあわせて結果を取りまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
雪のため、川付川の調査回数が減じたため。 現地調査旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)