2015 Fiscal Year Annual Research Report
放射性ヨウ素による内部被ばく影響の分子イメージングによる解析・評価
Project/Area Number |
24651050
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 尚樹 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 崇 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (20330300)
吉田 正博 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教 (50264247) [Withdrawn]
中山 守雄 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (60164373)
井原 誠 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (60175213)
岡市 協生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (80124874)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内部被ばく / 放射性ヨウ素 / 分子イメージング / 福島原発事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京電力福島第一原子力発電所事故で環境中に放出された放射性ヨウ素(I-131)は、半減期は8日間と短いものの放出量は放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)の約10倍に及び、チェルノブイリ原発事故では汚染食材の摂取による内部被ばくが小児甲状腺がんの増加を招いた核種である。福島県住民の健康調査による甲状腺検査の結果によれば、甲状腺がんの検出率は過去の発生率より明らかに高いものの、それが検診効果によるものなのか、あるいは放射線被ばくによるものなのかの結論には至っておらず、今後のさらなる調査検討が必要とされている。本研究では、放射性ヨウ素による内部被ばくの影響を検出する新しい評価系の開発をin vitro、in vivoの両面から試みた。 平成24年度は培養甲状腺細胞を用いたI-131取り込みへの分子細胞生物学的応答の検討と、小動物分子イメージング(PET/SPECT)の撮像条件の検討、平成25年度からはマウスへのγ線外部照射、I-131尾静脈投与による内部照射を開始し、PETによる発がんの検出を試みた。それに引き続き平成26年度にはI-131投与後のマウス甲状腺のI-131 SPECTによる撮像と構造機能変化の検出を開始したが、通常のSPECT核種よりもエネルギーも高いI-131のファントムによる検出感度の確認と、撮像条件の決定に時間を要し、かつマシンタイムが十分に確保できなかったことより、平成27年度に延長して継続実施した。その結果、甲状腺に集積したI-131のI-131自身によるSPECT画像の撮像に成功したが、その一方でマウスの発がんをPETで検出することはできず、目的とするリスク評価のための分子イメージングによる発がんの経時的観察を実現させるには、引き続き発がんに至るI-131の投与量依存性と撮像の可能な投与量とのバランスを検討しなければならないことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)