2013 Fiscal Year Annual Research Report
核酸ナノ構造体で構築したタンパク質ネットワークを利用した新規ナノリアクターの開発
Project/Area Number |
24651150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中田 栄司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 講師 (70467827)
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Keywords | 核酸ナノ構造体 / タンパク質 / ネットワーク / ナノリアクター |
Research Abstract |
生体内では、複雑に組み合わさったネットワークが多数存在しており、その中で様々な物質が多段階に変換され、さらに相互に干渉しながら生命活動を営んでいる。このような生体内ネットワークに倣い、有用な部分を抽出して、試験管内で再構築することができれば、高機能な物質変換システムの創製が期待される。これまでにもリポソームやナノ界面などを反応場として利用した物質変換システムの構築例は数多く報告されているが、これまでの研究例の多くでは、ナノ空間を構築することで各要素が高密度化された状態を反映できているものの、生体内で見られるようなナノ空間内における構成要素の分子数や空間的配置・配向までの制御には至っていない。殊に、それ自身がナノメートルサイズを有する酵素などの生体高分子においては、複数のタンパク質・酵素をどのように配置して集積化させることで、高効率な物質変換反応が達成できるかなどの知見はほとんど皆無である。この要因としては、これらを精密に制御する方法論がこれまで存在しなかったことが挙げられる。そこで、我々はDNA origami (P. W. Rothemund, Nature 2006, 440, 297.) に代表されるDNAナノ構造体が、高精度な集積をおこなうための足場として有用であることに着目し、DNA結合性タンパク質をアダプター分子とし、その結合を介してDNAナノ構造体上のアドレスに対し、複数のタンパク質を緻密に集積させたシステムを構築することで、細胞内で見られる複雑なタンパク質ネットワークを模倣した高効率な物質変換反応を人為的に創製することを目指している。 本年度は、昨年度までに開発した直交性を有する2種類のアダプターを駆使することで連続的に作用するタンパク質をDNAナノ構造体上に配置したナノリアクターを構築し、その機能評価をおこない、良好な成果を得ている。
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Research Products
(20 results)