2013 Fiscal Year Research-status Report
中国近世戯曲・小説(宋元時代から明代初期まで)の文字学・方言学による研究
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24652077
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
福満 正博 明治大学, 経営学部, 教授 (60165313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 昭弘 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70165497)
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Keywords | 安徽省池州儺戯 / 元明時期の出版 / 江西省九江白兎記 / 徽州鈔本白兎記 / 青陽腔 / 成化本白兎記 / 戯曲小説の異体字 / 斉言体戯曲 |
Research Abstract |
○著書:共著:①『 舞岳儺神ー中国湖南臨武儺文化国際学術研討会論文集』、 學苑出版社、2013/11 、② 『中国文化史大事典 」、大修館書店 、2013/04 ○論文:①「安徽省青陽腔《白兔記≫与》与富春堂本, 《風月錦嚢》本《白兔記》」(『 戯曲研究 』87号、2013/04 ) 、②「6 中国安徽省池州市「儺戯」第2回調査日誌」(「明治」The Quarterly meiji、 2013/07 )、 ③「江西省の九江青陽腔白兎記(3)」( 明治大学教養論集 』 494号、2013/9 」、④「江西省の九江青陽腔白兎記(4) 」(『人文科学論集』60輯、 2014/03 、 ⑤「中国近世戯曲小説中の異体字の研究(5) -明・成化本』-」、(『 明治大学教養論集』499号、 2014/03、⑥ 「南戯「白兎記」の流伝(1)」(『 明治大学人文科学研究所紀要』75号)、 2014/03 ⑦「共同研究実施報告」:「中国の演劇・音楽の域内・域外における発掘・伝播に関する現地調査と文献研究」(『明治大学人文科学研究所年報』、 2014/03 ○国際学会発表:「九江青陽腔≪白兎記≫与≪白兎記≫演変 」、場所:中国戯劇史国際学術検討会 (中国、中山大学)、2014/4/6 ○現地調査:①安徽省池州市儺戯現地調査。(期間:2014年1月31日~2月8日)、星田謝村、蕩里姚氏、殷村姚氏、風火劉氏、西華姚氏などで、儺戯の上演の調査をする。②安徽省池州市。(3月29日~4月2日)安徽省池州学院の儺戯文化研究所を訪問。何根海院長・所長らと学術交流を行う。 ○招聘学術交流:9月29日から10月2日まで、中国中央芸術研究院戯曲研究院の劉禎研究員を招請して、明治大学の東アジア研究で学術交流を行った。:以上の5つの分野で、研究活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地方文化・地方戯曲の研究として、江西省九江市に残る青陽腔(本来は安徽省青陽県に起源する)の「白兎記」の翻刻が終わった。富春堂本・汲古閣本・風月錦嚢本などと比較して、南戯「白兎記」の成立を解明できる基礎が十分にそろった。これからの南戯研究にとっても、大きな意味を有しているものと思われる。青陽腔は、世界遺産の昆曲と並び称される戯曲史上重要な地方戯曲であったが、ほとんど資料が残っておらず、実像はほとんど不明であった。ところが、今回の「白兎記」の研究で、ある程度その実像が明らかにされる可能性が出てきたと思われる。 また地方文化・地方戯曲の研究として、安徽省池州市でこれまで4回ほど現地調査としてきた。調査の過程で次第に分かってきたのであるが、池州で上演されている儺戯の形式には二種類あることがわかってきた。大きく分類すると、一つは斉言体の曲の上演で、もう一つは楽曲体の上演である。この二つの形式が、同じ「劉文龍」という劇に対して行われている。楽曲系は、もちろん隣接する青陽腔であるものと思われる。とすれば、従来中国演劇史上問題とされてきた、楽曲系の演劇と斉言体の演劇との関係について、重要な研究の貢献ができるものと思われる。 以上述べたように、大きく二つの面から、地方の方言を使った地方戯の研究に対して、大きく貢献する研究を成し遂げているものと思われる。 このように、方言を有する地方戯曲の研究は、かなり進めることができた。しかし、文字学・異体字に関する関する研究は、成化本「白兎記」を終わらせただけである。成化本「白兎記」は、量的にも大きな作品であり、また異体字の本字を確かめるためにも、関連作品を相当に読まなければならないので、作業は簡単ではない。しかしより多くの努力をしなければならない
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Strategy for Future Research Activity |
異体字の収集を中心的に、研究を進めていかなければならない。特に、元刊本と成化説唱本の異体字の研究に、尽くしたい。しかし異体字は、それだけ見ていても何もわからないので、関連作品を集めて比較検討しなければならない。また、場合によっては現地調査もしなければならないかもしれない。 またこれまでの研究で、副次的に成果の上がった問題については、逐次発表していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入を予定していた叢書が、出版されなかったので、お金が余った。 別の叢書を購入の予定である。
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Research Products
(7 results)