2012 Fiscal Year Research-status Report
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24652092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
定延 利之 神戸大学, その他の研究科, 教授 (50235305)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 文法 / 音声言語 / 語調 / 音楽 |
Research Abstract |
平成24年度は,音楽的言語と文法について、主に調査関連の作業パッケージ「日本語調査」「他言語調査」「コーパス調査」に重点を置いて研究を進めた。 「日本語調査」については、日本語母語話者である研究者(申請者)の内省に基づく調査を進めるとともに、関連文献の調査を行った。 「他言語調査」については、対句構成が文法的効果を持つ中国語について、母語話者の調査を進めるとともに、文献調査を行った。 「コーパス調査」については、[幼児-母親]の対話を中心とする音声言語データベース(通称「エミちゃんデータ」)について調査を行った。 作業を通じて得られた成果の一部を、日本認知科学会大会ならびに九州大学言語学研究会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画において24年度の目標とした音楽的言語の調査は、研究経費の縮小と、コーパス(「エミちゃんデータ」)を管理されていた杉藤美代子先生のご逝去のために、残念ながら小規模なものとせざるを得なかったが、それでも全て進めることができ、話しことばの複雑さに関するマクドゥーガルらの先行研究の知見を得ることができた。その結果、「語」「句」などの文法的単位が、語種・長さ・品詞などの情報が複合された汎モジュール的なあり方をしているのではないかという、新たな展開への手がかりをつかむことができた。成果は日本認知科学会大会と九州大学言語学研究会で発表し、話しことばの複雑さについて、さまざまなアドバイスを得ることができ、さらに今後の展開へのヒントをつかむことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、音楽的言語それ自体の構造を解き明かすことだけでなく、音楽的言語の観察を通して、それらが「語」「句」そして「文」などの文法的単位の汎モジュール的なあり方についての貢献ともなるよう、より一般的な文法的視野からさらに考察を進める予定である。研究経費の規模に対応すべく、実験的パラダイムに基づく検証を検討課題とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、「語」「句」などの文法的単位の汎モジュール的なあり方について、24年度に引き続き調査を進めたい。得られた知見の一部は、実験的パラダイムに基づく検証を検討するとともに、日本語学会春季大会シンポジウム他で発表する他、話しことばに関する著書の中でも発表したい。そのために旅費と事務補助員雇用費を要する。
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Research Products
(3 results)