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2013 Fiscal Year Research-status Report

島嶼・辺境性を有する沖縄県における児童虐待予防に必要な「地域」の創造に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24653140
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

本村 真  琉球大学, 法文学部, 教授 (30274880)

Keywords児童虐待予防 / 島嶼性・辺境性 / キーパーソン / セルフケア / TRE
Research Abstract

島嶼性と辺境性をもつ沖縄県における児童虐待の発生予防に有効な、新しい「地域」の創造のために、今年度は日本国内の島嶼地域の子育て支援状況についての情報収集を中心に行った。その際、昨年度のスペインにおける現地調査等を経て改めてその重要性が理解された地域におけるキーパーソンが引き続き地域の実情に根差した対策を構築し続けるためのセルフケア対策を一つの柱として、その燃え尽き等の予防対策として効果が期待できる具体的な技法の一つとして、TRE(Tension & Trauma Release Exercises)の有効性に着目し、具体的技法やその効果等についての検討も行った。
その成果として、申請者自身がその実践を行うための基盤整備を達成(対個人対応で実践するための専門資格の取得)した。TREの特徴としては、言語によらずに直接身体に働きかけて筋緊張の解放を目指すことや、定型の運動を覚えることで個人で継続することが可能である点等が挙げられる。実際に児童養護施設職員や島嶼地域の住民にもこの技法を体験してもらい、その効果等について聞き取り調査を実施した。結果、身体的な緊張を直接解放するこの技法が有効である可能性が示唆された。また、このような技法を周知することで、他の運動への参加を含めて、職員が自身のストレスマネジメントを意識するためのきっかけとなる効果もあると考えられた。島嶼地域では身近な表現を用いて展開することで不必要な誤解への懸念から参加を避けることにならないための配慮として重要であること等も示唆された。
多くの島嶼地域で人口減少がみられる状況においては同一の個人が多くの役割を担わざるを得ない状況となり、島外の専門家との交流や支援も制限されがちである状況もあり、TREのように一度その中身を理解すれば、後は個人のペースでセルフケアが可能となる技法の重要性は高いと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

島嶼性と辺境性をもつ沖縄県における児童虐待の発生予防に有効な施策を検討するためには、それぞれの島の個別具体的な状況に適した対策を展開する必要があるが、その上で地域のキーパーソンの重要性は高い。しかし島嶼地域では一部のキーパーソンに多くの負担がかかる可能性も高く、キーパーソンのセルフケアのための具体的な方法について検討することの重要性が確認された。さらに、具体的な技法についてもTREを取り上げ検討し、実際に児童養護施設職員や島で活発に活動する住民に体験してもらい、聞き取り調査を実施してその有効性を探った。結果として、心理的ストレスを言語的なカウンセリングで解消することへ抵抗を感じる職員もあり、身体的な緊張を直接解放するこの技法が有効である可能性が示唆された。また、このような技法を周知することで、他の運動への参加を含めて、職員が自身のストレスマネジメントを意識するためのきっかけとなる効果もあると考えられた。
島嶼性と辺境性を有するそれぞれの島嶼地域においは、それ以外の地域で効果があるプログラム等を「モデル」として新たに開始することは、たとえそれが「島嶼」地域で有効であったものであったとしても、そのままでの展開は難しい。すでに有効である対策を含めて、有効策の展開・継続のためにはキーパーソンの活動が不可欠である。現実的に児童虐待を予防するための地域を創造していくためには、すでにそこで活動するキーパーソンが引き続き、その地域にあった対策を展開することの重要性が高いが、そのためのセルフケアという方向を見出し具体的な対策の検討を行うことができた。かかわる「人」をどのように支援していくかは、島嶼性・偏狭性という地域特性から専門家が相対的に不足しがちな地域の実情からも重要となり、キーパーソンのサポートとして有効と考えられるTREについての調査研究を深めることができた意義は大きいと考える。

Strategy for Future Research Activity

引き続きTREの島嶼地域のキーパーソンのセルフケア技術としての有効性について検討していくために、すでに申請者が取得している対個人を対象とするTREの実践資格に加えて、集団を対象としてTREの実践を行うための資格を取得し、より効率的に有効性の検討を実施していく。
具体的には、資格取得のためのワークショップへの参加とともに、沖縄県内の専門家も参加対象とするワークショップ開催も企図し、専門家(キーパーソン)のセルフケアのための技術としての有効性を引き続き検討していく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

児童虐待予防に必要な「地域」の創造に関して、その基盤となる人材(キーパーソン)のセルフケアに焦点を絞った研究を遂行している。その具体的なセルフケア技術(TRE)に関する情報収集を行う上で、次年度に補助事業期間を延長し情報収集を行う必要性が生じたため。
島嶼地域のキーパーソンのセルフケアのための技術としてその有効性を検証しているTREに関して、効率よくその効果を測定するために、すでに取得している個人セッション用の資格に加えて、集団セッション用の資格取得のためのワークショップに関して、資格取得と共に、本技術に関する情報の収集も行う予定。

Research Products

(1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] スペインにおけるSOS子どもの村(Aldeas Infantile SOS)の実践活動

    • Author(s)
      本村真
    • Organizer
      日本児童養護実践学会
    • Place of Presentation
      東京都 帝京平成大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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