2013 Fiscal Year Annual Research Report
被虐待児童への愛着形成を目的とした動物介在療法に関する研究
Project/Area Number |
24653195
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
海野 千畝子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (30584875)
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Keywords | 動物介在療法 / 情緒障害児短期治療施設の治療 / 被虐待児童への心理療法 |
Research Abstract |
本研究では,情緒障害児短期治療施設の被虐待児童を対象とした動物介在療法(ドッグプログラム)を愛着形成という側面から臨床的に検討した。対象は6歳から12歳の小学生女児6名である。ドッグプログラム前後において児童の情緒と行動の様相を比較した。 ドッグプログラム(DOG-P)構成は,グル-ププログラムと個人プログラムに分かれており,個人プログラムにおいては,筆者が犬一匹(筆者の所属犬),施設職員1名いる中で,被虐待児童への心理療法(インテ-ク面接,思春期解離体験尺度(A-DES:adolescence dissociation experience scale)の変法,生育史聴取,EMDR(eye movement desensitization and processing)を行った。 結果,本来の施設側の治療に加えてドッグプログラムを行った介入群の児童らと施設側の治療のみの介入無群の児童らとの群間比較で, 児童らの愛着形成を阻害する解離症状の数値は,介入群がドッグプログラム前後でより有意な差を認めた。また,生活面において,施設指導員,施設心理士らの行動観察等から,介入群児童は介入無群児童に比べて早急に愛着形成が構築することが認められた。犬との安全な皮膚接触を通した触れ合いを含むドッグプログラム(DOG-P)が,被虐待児童らの解離された感覚を統合し,必要な愛着形成を促進することが示唆された。
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Research Products
(8 results)