2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24654185
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 浩一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50235248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 修輔 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30333628)
富岡 智 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40237110)
高田 昇治 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (50422788)
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Keywords | ソノプラズマ / 液中プラズマ / 超音波 / キャビテーションバブル |
Research Abstract |
平成25年度には,平成24年度に信号が得られるようになった光波マイクロホンによる超音波圧力計測を継続し,信頼性の高い実験結果を得た。それによると,超音波圧力は水面から水深方向に減少する構造を持つが,極小点があり,極小点の位置とキャビテーションバブル(プラズマ)が定在する位置とがほぼ一致した。キャビテーションバブルの膨張・収縮運動を撮影したシャドウグラフ動画から,本装置で生成されるキャビテーションバブルには超音波圧力の低い方向に向かう第一ビヤークネス力が働くと考えるのが妥当であり,超音波圧力の極小点にキャビテーションバブルが補足されるものと考えられた。また,プラズマの発光(ソノルミネッセンス)画像を時間分解撮影し,プラズマの発光はキャビテーションバブルが存在する位置で強いこと,および,キャビテーションバブルが崩壊に向かう時刻にプラズマが発光することを確認した。さらに,超音波振動子での消費電力および吸収超音波電力を測定し,キャビテーションバブルが効率的に生成される条件では吸収超音波電力が大きいものの,その水深に対する依存性はキャビテーションバブルの生成効率の水深依存性より著しく弱いことがわかった。本装置内における超音波圧力分布に関する数値計算にも取り組み,初期的な結果を得た。 以上の結果および平成24年度の研究成果を総合すると,容器および水からなるシステム全体が弱い共鳴条件にあり,水に吸収される超音波電力が大きい条件において,超音波圧力の高い水面付近にパンチングメタルを挿入することによりキャビテーションバブルの種を生成し,超音波圧力の空間分布に極小点を作ってそこにキャビテーションバブルを定在化させることが,本装置によってソノプラズマを効率的に生成できるメカニズムであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画の提案時に偶然的に見出された方法により何故ソノプラズマが効率的に生成されるのかに関するメカニズムを解明するという目的に対して,平成24年度よりさらに進んだ理解を得ることができた。超音波圧力場の空間構造に関する数値計算についても初期的結果を得ており,来年度には所期の目的を達成できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ソノプラズマ生成のメカニズム解明に関する研究を継続するが,それに加え,ソノプラズマの応用創出にも取り組みたい。具体的には,ナノバブル生成装置とソノプラズマ生成装置を組み合わせることにより,ソノケミストリープロセスを著しく効率化する方式を研究 する。また,本研究の発展として,キャビテーションバブルの内部に放電プラズマを生成することを着想しており,平成26年度に取り組みたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は設備備品の購入計画が無く,すべての予算を消耗品および旅費に充当する計画であったが,これらの経費が予定よりやや少なく推移したために,次年度使用額が生じた。 ソノプラズマの効率的な生成メカニズムが解明されれば,それを検証するための装置設計・製作を行う予定であり,その経費に充当する。
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