2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24655034
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 容子 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20372724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛原 大軌 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (00583717)
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Keywords | トリフィリン / ポルフィリン / 錯体 / 核置換 / 励起状態 |
Research Abstract |
[14]トリフィリン(2.1.1)は14π芳香族性の環縮小ポルフィリン類縁体である。本萌芽研究では環状1価三座配位子としての環縮小ポリフィリンの化学を確立するために、次の3点を重点的に研究した。 ① 各種金属錯体の合成と構造決定:これまでに報告したRe(I)[TriP(CO)3]、Mn(I)[TriP(CO)3]、Ru(II)[TriP(CO)2Cl]錯体はいずれも八面体型構造であった。今回あたらに合成したPt(II)錯体は平面4配位をとるが、容易に酸化されてオクタヘドラルのPt(IV)錯体となること、あるいは大気下で結晶を作製すると、2つのピロールのα位が酸素で架橋されることを見いだした。また鉄錯体ではペンタジエニルとトリフィリンとのサンドイッチ構造をとり、電気化学的に安定に鉄の2価と3価を可逆的に変化させることが可能であった。さらにホウ素錯体の合成にも成功した。 ② 核置換トリフィリン(2.1.1)の合成法の確立と物性評価:ピロールの一つをチオフェンに置き換えた核置換トリフィリンの合成を試みた。しかし、硫黄原子が大きいために、14π系トリフィリンを安定に取り出すことが出来ず、メソ位に求核付加がおこる、あるいはプロトン化がおこることで安定化された形で単離されることをみいだした。 ③ 高速分光法による励起状態ダイナミクスの解明:βーアルキル置換トリフィリンとベンゾトリフィリンの蛍光スペクトルと時間分解蛍光スペクトルの測定により励起状態のダイナミクスにおける置換基効果を検討した。
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[Journal Article] η5-Cyclopentadienyl-Iron(II)-[14]Triphyrin(2.1.1) Sandwich Compounds: Synthesis, Characterization, and Stable Redox Interconversion2013
Author(s)
Z. Xue, D. Kuzuhara, S. Ikeda, Y. Sakakibara, K. Ohkubo, N. Aratani, T. Okujima, H. Uno, S. Fukuzumi, H. Yamada
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 52
Pages: 7306-7309
DOI
Peer Reviewed
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