2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24655196
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
酒井 孝明 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20545131)
|
Keywords | イオン伝導体 / ガスセンサー / 濃淡電池 |
Research Abstract |
製鉄などの金属精錬において、溶融金属中に溶解している酸素、水素および窒素ガス成分の制御は、精錬物の品質に直結するため非常に重要な案件である。しかしながら、窒素ガスをセンシング可能とする窒化物イオン伝導体が未だ見つかっていないため、現時点で はこれらのガスの中で唯一窒素ガスのみセンシングが不可能である。そこで本研究申請では窒素ガスセンシングを可能とする窒化物イオン(N3-)伝導性を有する材料の創成を行うことを目的とする。同時に、今までその研究進展の無かった窒化物イオン伝導の研究分野に脚光を浴びせ、その学術的進展に寄与することも目的とする。 前年度にて窒化物イオン伝導の保有が有力視されていたSi3N4において、窒素イオン伝導の可能性が見いだせなかった。そこで、平成25年度においてはあたらに候補となる材料の探索を行った。本年度は窒化ガリウム(GaN)に着目し、その窒化物イオン伝導の有無を検討した。まず酸化ガリウム(Ga2O3)粉体を300MPaにて静水圧プレスし、その後1500oCで焼成することでGa2O3ペレットを作成した。これをアンモニア雰囲気にて、900oCで20時間アニールすることで窒化処理を行った。その結果、エックス線回折測定よりペレット体ではほとんど窒化が進まなかったことが示唆された。また、表面観察でも表面のみが変色しただけであった。つまり、ガリウム系においては900oCでの窒素イオンの伝導は殆ど起らず、電気化学的に観測できる程度の窒化物イオン伝導を得るにはこれよりも高温域で検討しなくてはならない可能性が示唆された。前年度と本年度の結果より窒化物イオン伝導は基本的に1000oC以上の高温域で発現すると推測される。
|
Research Products
(2 results)