2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656016
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
鈴木 良尚 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (60325248)
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Keywords | コロイド結晶 / タンパク質 / 脱塩 / 液液相分離 / 遠心濃縮 |
Research Abstract |
本研究はタンパク質の結晶化を従来の沈殿剤を用いた方法ではなく、コロイド結晶化で行おうという目的で開始した。コロイド結晶は基本的に斥力による規則構造形成であるので、分子間が非接触の状態で規則構造を保ちつつ、容易に分子間距離をコントロールできる。そのため、従来単なる塩析では結晶化できなかった柔らかいタンパク質を結晶化するのに役立つ可能性が高い。しかし、この2年間のトライアルの結果、残念ながらタンパク質分子によるコロイド結晶を育成することはできなかった。 そのかわり、そのコロイド結晶化を目指すプロセスで以下のような重要な知見を得ることができた。1. 沈澱剤を使用せずに、遠心濃縮によって通常の結晶を得ることができた。2. pHの変化によって、結晶形を制御することができた。3. 遠心濃縮の際、タンパク質溶液が二相以上に液液相分離し、濃厚相から核生成が起こり、結晶ができた。4. 濃厚溶液相は、非常に高粘度ながら、多くの核が生成し、生成した結晶はファセットを持っていることから沿面成長を行っていることがわかった。 特に液液相分離の発生と、濃厚相のみからの結晶化のプロセスは、タンパク質の結晶化メカニズム解明の上で、新しい切り口を提供することができると考えている。
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Research Products
(7 results)