2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素ハイドレートの大規模火災用消火剤としての可能性
Project/Area Number |
24656145
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植田 利久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10151797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 亮 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70356666)
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Keywords | 二酸化炭素ハイドレート / 消火 / 大規模火災 |
Research Abstract |
二酸化炭素ハイドレートの大規模火災の消火に対する有益性を明らかにするために,実験的研究を行った. 2013年度は,シャーレ小(Φ=50)及びシャーレ大(Φ=100)の2種類の大きさのプール火炎を対象に,メタノール(沸点64.7°C)と1-プロパノール(沸点97.4°C)の2種類の液体燃料の火炎を形成し,二酸化炭素ハイドレート及びドライアイスを投下し,消火実験を行った.その結果,メタノールはいずれの大きさの火炎でもドライアイスの方がより少ない質量で消火した.1-プロパノールのシャーレ小では二酸化炭素ハイドレートの方が少ない質量で消火した.また,シャーレ大の1-プロパノールではドライアイスの方がより少ない質量で消火したが 二酸化炭素ハイドレートの消火質量とドライアイスの消火質量の比,MCO2/MDI値,はメタノール場合と比較すると小さくなっている.以上のことより1-プロパノールの方がメタノールよりも水の気化熱が有効に用いられたと考えられる.また,シャーレ径に対して投下した際の面積が大きい程,火炎全体に投下されるため,消火質量が少なくなると考えられる. 以上のことより,液体燃料の沸点が二酸化炭素ハイドレートの消火に関して重要な影響を与えることが明らかになった.また,シャーレ径の拡大に伴って消火に成功した際の温度低下が小さくなり,二酸化炭素の必要量が大きくなった.これは,スケールの拡大に伴って,二酸化炭素の酸素遮断効果が水による温度低下効果よりも大きくなる事を示唆している. 今後はシャーレ径200mmに拡大しての実験および灯油での実験を行い,実用的利用に対し沸点及びスケール効果の視点から更なる検討を加える.
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Research Products
(6 results)