2012 Fiscal Year Research-status Report
細粒度気象予測に基づいた地域別空調制御・通信システム
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24656247
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬崎 薫 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10216541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 将行 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30458971)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境計測 / ユーザ参加型センシング / センサネットワーク |
Research Abstract |
H24年度はセンサネットワークのシュミレーションの構築に成功した。 広域エリアを柔軟にカバーできるWSNは気象条件のモニターリングに適している一方でセンサノードのバッテリの容量制限のため,限らた期間での運用を行うことを強いられてきた。 都市部で気象を計測するために、しかしより長期運用するため,ソーラーパネルなどのEnergy Harvesting技術でより効率的にエネルギを利用するセンサノードの導入が可能であるが経済的に高コストな点が普及を妨げている。本年度は全体のライフタイムを伸ばすため,Harvested Energy予測モデルを改良し,より現実に近いシミュレーションを行う環境を構築した。気象現象を加味した上でエネルギ予測モデルを確立しルーティングプロトコルを改良した.天候情報や地理情報などを導入したシミュレータでWSNの広域・長期運用手法を検証させ、要件に見合う最低限の自然エネルギーセンサノード数や配置の特定が容易になった。またユーザ参加型による気象環境計測の基盤の構築を成功させ世田谷区における2700箇所におよび計測の実験を完了した。またプライバシを保護しつつ各世帯からセンサデータをネットワークコーディングを用いて転送する仕組みを提案してシミュレータ上で検証した。 更にプライバシ情報を考慮するネガティブサーベイの研究を開始し国内外で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では自治体によるでのリアルタイムの実験を予定していたが館林市の内部の予算の関係でオフラインでのデータの取得からの実験に切り替わった。市内、小学校数校でのデータ取得は順調に行われているため研究としては問題がない。また学会発表なども順調に行われている。世田谷区全域での計測実験もH24年度に前倒しで完了し本年度シミュレーションや更なる追加実験を行うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
冷暖房装置による消費電力の抑制が社会問題として注目されている.電力増加はオフィスや家庭のIT化による人工排熱や舗装面によるヒートアイランド等が要因になっており,冷暖房装置の制御によりピーク消費電力の抑制する急務の課題となっている.フロアや部屋単位である空調制御を,地域ごとに制御する方式にし,サーバからユーザが頻繁に利用する部屋の空調を地域細粒度の外気温情報を元に自動で制御させる.近接する装置との連携を実現し地域毎に制御させることで,住民の快適性を低減することなく総合的且つピーク時の消費電力を削減する. 今後の研究方針としてH24年度の世田谷区での実験結果から得られたデータを解析すると同時に、開発しているシミュレータでの評価を行う。また開発している太陽や風速などのシミュレータの詳細な検証を行い完成度を高め,実際に実際のセーブできるエネルギー量を算出可能とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
センシング技術は,センサが動かないスタティックセンサネットワークと,センサがユーザとともに移動するモバイルセンサネットワークの2種類から成る.スタティックセンサネットワークでは,市街地・住宅地にセンサを遍く展開し,環境情報(温度,湿度,照度,CO2濃度等,気圧)を効率良く取得・通信・処理・蓄積・集約し,必要な時に必要な情報を提供されなければならない.本研究では,協調型の地域別センサネットワーク基盤技術を開発し,(1) 計算および通信処理に必要な資源を無駄なく効率的に用いて異種センサデータを管理する手法を開発する.以上の必要事項を解決するため我々は4つの課題を設定しそれぞれの技術を確立する.【課題A】地域単位空調機器制御に必要な細粒度気象センシング、【課題B】地域別細粒度気象予測システム【課題C】地域別空調制御モデリング、【課題D】地域空調制御・通信技術の研究課題の分割し、25年度も段階的に行う. H25年度は主に学会発表の旅費、システム構築にかかる謝金に費用を振りわけ成果をなるべく対外的に広く知っていただくことを目標にする。また本年度大規模に取得してデータの精度を高める為に、自治体と連携した取り組みを推し進めさらにデータを取得する実験を謝金や消耗品のモバイル端末や通信モジュールを購入して行う予定である。 また空調制御のクラウド化に関するプロトタイプの検討とクラウドでの空調制御に関するルールベースエンジンの検討を平行して行う。
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Research Products
(13 results)