2013 Fiscal Year Research-status Report
「伊勢湾台風復興住宅」の建築デザインに関する史的研究
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24656359
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀田 典裕 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00283391)
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Keywords | 伊勢湾台風 / 復興住宅 / 農村住宅 / 農林省 / 第二次世界大戦後 / 干拓地 / 勝田千利 / コンクリートブロック |
Research Abstract |
2013年度は、まず、前年度に行った実測調査と資料調査の結果を、学術講演会やシンポジウムにおいて発表することで、その成果を整理することができたとともに、多くの知見を得ることができた。具体的には、2013年度 日本建築学会大会学術講演会において、「鍋田干拓における「伊勢湾台風復興住宅」の建築デザインについて」と題する発表を行い(札幌、2013/8/30~9/1)、2013年度 日本建築学会東海支部研究発表会シンポジウムにおいて、「現代干拓地考:伊勢湾台風復興住宅から学ぶこと」と題する発表を行うとともにその内容について建築・都市系他分野の研究者と討論を行った(名古屋、2014/2/17)。その際、復興住宅の図面化を精力的に行った昨年度の作図作業に加えて、本年度は、干拓地のランドスケープの表現方法について積極的に検討した。なお、昨年度に実測調査の大半は完了したが、一部干拓地については、調査先の事情と調査対象の想定外の広がりのために未完了の部分がある。これらの実測対象については、次年度の早い段階で行うことができるように、目下調整中である。 次に、これまでの実測調査と資料調査の成果について、第二次世界大戦後の日本における他所の干拓地開発と比較検討を行うために、大潟村干拓博物館(秋田、2013/8/26~29)と児島湾干拓資料室(岡山、2013/10/18~20)にて資料調査を行うとともに、同干拓地における巡検を行った。この結果、上記干拓地はもとより、第二次世界大戦後の日本における干拓地開発に関して、多くの未発掘の資料を収集することができた。また、伊勢湾台風復興住宅の設計者である勝田千利の活動について調査するために、国立国会図書館にて複数回にわたる資料調査を行い、多くの有意な資料を入手することができた。なお、設計当時の様子を知るため、当該設計者を知る人物に目下連絡中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の達成度が順調である点は以下の三点である。 ・実測調査の大半が終了し、復興住宅の特徴と設計者が明確になりつつあること ・当初は、2014年度に計画していた学会等における発表に着手できたこと ・当初は、2014年度に計画していた他所の干拓地との比較に着手できたこと
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の三点である。 ・一部干拓地に関する未了実測調査について、至急実施すること
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は研究を想定以上に遂行することができたため、当初計画では想定していなかった他所の干拓地との比較研究に着手することができた。この結果、本年度予算には想定していなかった旅費の使用額が生じたため、全体の使用額が当初計画と異なったためである。 次年度早期に実施が予定されている一部干拓地に関する未了実測調査の旅費に当てたいと考えている。
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Research Products
(2 results)