2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656405
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
樽田 誠一 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (00217209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ構造 / 透明材料 / 結晶化ガラス / マイカ / 還元剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Ag+イオンの還元に与える還元剤添加の影響: Liの一部をSrとし、そこへAg2Oを添加すると、高い温度で加熱しても透明性の高い結晶化ガラスが得られた。そこで、そこへ還元剤として、CeF3を添加した。CeF3添加量が少ないと、母ガラスを800℃以上で加熱しても透明なマイカ結晶化ガラスが得られたが、金属Agの析出は極わずかであった。CeF3添加量が多いと、母ガラスを700℃で加熱してマイカが析出すると、金属銀もわずかに析出し、透明性は失われ、黒色化した。加熱温度を800℃にすると、金属銀の析出量は明らかに多くなり、同時にCeO2が生成した。この時点で、黒色から茶褐色に変化した。次に、還元剤として、Siを添加した。Si添加量が少ないと、Si無添加の場合と明らかな違いはみられなかった。Si添加量が多いと、Siが酸化されてSiO2となり、ガラスの多いマイカ結晶化ガラスとなった。しかし、いずれの場合にも、金属銀の析出は少なく、Siによる還元効果はみられなかった。また、還元剤としてSiOを用いた。この場合も、Siと同様で、SiOによる還元効果はみられなかった。さらに、還元剤として、Sb2O3を添加した。透明な母ガラスが得られているが、その結晶化挙動は現在検討中である。 2.アルミナるつぼを用いた母ガラスの作製: これまで、母ガラスを作製する際に、原料中のフッ素が揮散しないように、白金容器に原料混合物を入れ密封し、加熱溶融していた。しかし、この方法では、白金容器と原料の酸化銀や添加した還元剤が反応し、母ガラスが作製しにくい状態であった。そこで、容器としてアルミナるつぼを用い、ふたをして、母ガラスの作製を試みた。現在の方法では、透明なガラスは得られるが、マイカの生成量が少なく、還元剤を添加すると、溶融の段階で、ミリメーターレベルの大きな球状の金属銀が生成した。
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Research Products
(3 results)