2013 Fiscal Year Annual Research Report
“その場”合成同時着磁法による各種磁性材料の低コスト製造技術の開発
Project/Area Number |
24656459
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
友重 竜一 崇城大学, 工学部, 教授 (90258640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 誠 崇城大学, 情報学部, 教授 (10183112)
竹澤 昌晃 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20312671)
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Keywords | 燃焼合成 / 磁性体 / 着磁 / アルニコ |
Research Abstract |
本研究では、一般的に7行程から成る磁性材料製造方法は、非常に複雑で長時間を必要とするなど生産性に課題がある。そのため、各工程におけるエネルギー削減・時間短縮が出来れば製造コストも下がり、その課題は解決されると思われる。本実験では保持力(Hc)、最大エネルギー積(BHmax)の値も大きいアルニコ磁石の一種であるTiconal2000を選定し、燃焼合成時に生じる反応熱を利用することでキュリー点以上の温度域で着磁する工程を考案し、磁性合金の合成同時着磁を行い、得られた合金の磁気特性測定することを目的とした。本研究では、合成法、コイルの種類、燃焼合成装置の素材・形状・仕組み、試料の組成比を4種類作成し、原料粉末の粒径、試料圧粉時の圧力、ケミカルオーブンの有無、電圧の調節、磁界の強さ、着磁時間を変える等様々な実験を行ってきた。特に、Ticonal2000をベースに、燃焼合成時の温度上昇を期待し炭素やFe2O3を添加した組成比で、実験を行ってきた。 磁場中の実験結果を以下にまとめる。 1)燃焼合成を用いて熱処理を行い、同時に電磁石で磁界をかけることにより、Ticonal系磁石を作製できることが分かった。 2)X線回折より、組成1~組成4では、市販材と類似した強磁性相CoFeNiと反強磁性相AlNi3が確認できた。しかしながら、副生成物も合成されることが分かった。SEM観察やEDS分析より、TiCの生成熱を利用しCを添加した組成1、2の方が、テルミット反応の熱量を利用しFe2O3を添加した組成3、4より、生成物が緻密であることがわかった。また、組成3、4は多孔質になる試料が多いことがわかった。 3) VSM測定結果より、今回我々が作製した試料の保磁力は、市販材と比較して、非常に低いことが分かった。これは、試料中の副生成物の存在と磁気モーメントが規則的な配列をしていないことが原因と考えられる。
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