2012 Fiscal Year Research-status Report
高効率フェントン法を用いたCO2還元および増炭反応によるアルコール生成
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24656547
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大和田 秀二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60169084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
所 千晴 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90386615)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | フェントン反応 / CO2還元 / アルコール生成 |
Research Abstract |
CO2を飽和させた溶液にFe(II)とH2O2を繰り返し添加することで、高効率フェントン反応を起こしCO2を還元する実験を行った。まず、初期pHを1.5~6まで0.5刻みで変化させて実験を行った結果、pH2.5付近で最も高いTOC値を得ることができた。これよりもpHが高い場合、Feがすぐに沈殿を形成してしまいフェントン反応を十分に引き起こせていないためCO2の還元が十分に進んでいないと考えられた。一方、pHが低い場合、CO2の溶解量が減少してしまうことが原因で高いTOC値を得ることができなかったと考えられる。また、H2O2/Feモル比を1~5まで変化させて実験を行ったところ、モル比1または2において最も高いTOC、酢酸、シュウ酸濃度を確認することができた。これは添加したFe(II)が多いほどH2O2をよく消費し、多くの・OHを生成することができたことに起因すると考えられる。また、反応終了後の溶液を詳細に分析したところ、中間生成物としてギ酸、酢酸、シュウ酸、メタノール、エタノールの存在を確認することができた。このことから次の3つの反応経路を推測した。①CO2→ギ酸→ホルムアルデヒド→メタノール②CO2→酢酸→アセトアルデヒド→エタノール③CO2→シュウ酸。今回の実験では確認することができなかったが、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなども存在していることが考えられる。また、シュウ酸からグリオキサールやエチレングリコールといったアルデヒドやアルコールも生成されている可能性があるため、今後より詳細な分析を行ない、中間生成物の把握を行う必要がある。また、収率が低いことから、安価な触媒等を用いた反応促進を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フェントン法を用いたCO2からのメタノール、エタノールの生成に成功しているほか、中間生成物としてギ酸、酢酸、シュウ酸の存在が確認でき、反応経路をある程度把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シュウ酸からグリオキサールやエチレングリコールといったアルデヒドやアルコールも生成されている可能性があるため、今後より詳細な分析を行ない、中間生成物の把握を行う必要がある。また、収率が低いことから、安価な触媒等を用いた反応促進を検討する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
系統的な実験を繰り返し、中間生成物の更なる詳細な把握を目指すほか、安価な触媒を混在させ、収率の上昇を目指す。
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