2012 Fiscal Year Research-status Report
ワクチン接種で誘発される鶏アミロイド症の病態解析と食鳥から人への伝播性の危害解析
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24658254
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 徳磨 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10242744)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ニワトリ / ワクチン / アミロイド / サルモネラ |
Research Abstract |
大規模養鶏場に発生した鶏の大量不明死の原因が、ワクチン接種により引き起こされる鶏アミロイド症である事件に遭遇した。採卵鶏の白色ジュリアでのアミロイド症の発生は、ワクチンの安全性の面から、また、食鳥衛生上の罹患鳥排除の観点から問題である。多種類のワクチンを接種する鶏では、アジュバントの過度刺激に起因する鶏アミロイド症が潜在的に存在している。アミロイド症の発症には、使用するワクチンの種類、接種時期や接種量との関係も重要と思われる。本研究では、まず、実際にワクチンを接種した採卵系ニワトリで、実際にアミロイド症が発症するかどうかを確認したのち、ワクチンとアミロイド症の発生との因果関係を明らかにする。 1)ワクチン接種により鶏アミロイド症の再現実験:アミロイド症に遭遇した農場で使用していたワクチン数種を接種部位等を同じくした実験で、ニワトリアミロイド症が発症することを確認した。 2)アミロイド症を発症させるワクチンの同定:数種類のニワトリワクチンの内、サルモネラ・ワクチンとマイコプラズマ・ワクチンを比較した場合、サルモネラ・ワクチンが効率にニワトリアミロイド症を発症することが明らかとなった。ワクチン量も多く接種する群で高率であった。 3)ニワトリアミロイドのニワトリへの伝播実験:ニワトリアミロイド症の同種間伝播を明らかにする目的で、ワクチンを接種後、精製したニワトリアミロイドを皮内接種および経口接種して比較した。その結果、皮内接種の方が高率にアミロイド症を誘発することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画より、かなり進んでいるものと思われうる。その理由として、アミロイド症を誘発する原因は、サルモネラ・ワクチンであることが明らかになったこと、接種量や接種部位に依存することがあげられる。また、ニワトリ間での伝播も皮下接種や経口摂取により明らかとなり、アミロイドのニワトリ間での伝播の可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
ニワトリアミロイド症の発生およびニワトリ間での伝播の可能性は、すでに確認すみである。今後は、ニワトリアミロイドの異種間伝播について解析する予定である。マウスを用いた接種実験は、ニワトリのアミロイド症の人への伝播の可能性を評価する点で重要である。平成25年度は、とくに公衆衛生面でのリスクについて以下の実験を行う予定である。 1.ニワトリアミロイド症のマウスへの伝播性 2.異種間伝播に関与する宿主側の因子の解明 3.市販されているニワトリ肉内でのアミロイドの残存性
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額 ¥20,440 平成25年度は、平成24年度で得たニワトリアミロイドをマウスに接種して異種動物へのアミロイドの伝播性について詳しく解析することから、25年度へ繰り越した20,440円は、マウスの購入等にあてる。
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Research Products
(2 results)