2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 太郎 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40395653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 文三 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40135611)
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Keywords | メタロプロテイン / フェノールオキシダーゼ / キチナーゼ |
Research Abstract |
平成25年度は、金属結合性蛋白質として、①カルシウム貯蔵型キチナーゼ(ザクロ由来クラスIIIキチナーゼ)、②甲殻類フェノールオキシダーゼ(銅結合蛋白質)の構造、機能解析を行った。 ①について、ザクロ種子内でカルシウム貯蔵タンパク質として機能している、クラスIIIキチナーゼを分離精製し、cDNAのクローニングを行った。更に、組換え型クラスIIIキチナーゼの結晶化と1.5Å分解能でのX線結晶構造解析に成功した。構造解析の結果、約10か所のカルシウム結合サイトと、その配位構造が明らかとなった。 ②について、クルマエビ血漿より精製したフェノールオキシダーゼの立体構造を1.8Å分解能で明らかにした。本酵素は、既知の甲殻類フェノールオキシダーゼとは異なる分子であり、食用甲殻類の多くが属する甲殻類十脚目(エビ目)に広く存在する新規遺伝子ファミリーを形成することを示した。また、本酵素の立体構造は、甲殻類由来のフェノールオキシダーゼとして初めての解析例である。本構造解析により、活性中心の銅原子の配位環境と周辺の詳細な立体構造が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで明らかにされていなかった金属蛋白質の詳細な立体構造解析に成功し、金属元素とタンパク質の相互作用について、新規な知見が得られたため。 また、立体構造解析以外においても、高等植物種子に広範に存在するクラスIIIキチナーゼをカルシウム貯蔵タンパク質として同定したこと、及び新規の金属結合性酸化還元酵素(フェノールオキシダーゼ)を見出したことなど、当初の計画以上の知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた新規な金属蛋白質の構造から、その金属配位環境を詳細に解析する。平成26年度は、金属への配位可能なモチーフについて、フェリチンなどの多量体籠状蛋白質にそのモチーフを導入し、新規な金属集積蛋白質分子の創出を試みる。
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