2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化還元刺激に応答してマクロな運動出力ができる分子マシンの創製
Project/Area Number |
24659003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 清誠 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10302168)
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Keywords | キノン / ヒドロキノン / 分子マシン / 構造変化 / 酸化還元 / アミド結合 |
Research Abstract |
本研究ではキノン・ヒドロキノンの酸化還元による相互変化に着目し、それぞれ水素結合受容体・水素結合供与体として働くことを期待し酸化・還元刺激に応答して大きく構造変化する分子を合成し、それを分子集合体としてダイナミックな運動体にすることを目指した。 25年度は、キノン・ヒドロキノン基本単位を有するデンドリマーの合成および層状構造の構築を行うべく、基本単位の化学修飾法の開発を検討した。ナフトキノンのしくはその還元体に置換反応や付加反応を用いて就職を試みたが、ナフトキノンは水などの求核剤にきわめて不安定であることがわかり戦略変更を余儀なくされた。次に、あらかじめ置換基を導入した原料からキノンを合成することに取り組んだが、この方法も失敗におわった。 そこで、分子集合体の合成を検討するの前に、キノンおよびヒドロキノンの物性および反応性を見極めることとした。ナフトキノンの3位にハロゲン原子(Br,Cl),ヒドロキシ基、アミノ基、フェニル基をもつ誘導体を合成した。 これらのキノン型化合物およびヒドロキノン型化合物を調製し、それぞれのコンフォメーションを解析した。その結果、3位の置換基が異なると、コンフォメーション変化の仕方が変化するという興味深い現象を見出した。また、キノン型とヒドロキノン型の化合物を可逆的に変換させることにも成功した。 分子集合体の創製までに至らなかったが、3位置換基を足掛かりに誘導体合成できる可能性があることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)