2012 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド核酸プローブによるターゲッティドメタゲノミック診断法の開発
Project/Area Number |
24659275
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安永 照雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20260630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
開發 邦宏 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (70419464)
中村 昇太 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90432434)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝子診断 |
Research Abstract |
メタゲノム解析とは環境中の生物集団の遺伝情報を網羅的に解析する方法論であり、この方法論の感染症診断への応用研究が進んでいる。近年急速に発展している次世代シークエンス技術の向上に伴って、メタゲノム解析による病原体検出例の報告数は年々増加しており、原因不明の感染症診断にとって重要な方法論の一つとなっている。我々は次世代シークエンサーの登場当初からメタゲノム解析の病原体検出への応用を研究しており、これまでに糞便、血液、咽頭スワブ等のさまざまな臨床検体からカンピロバクター、ノロウイルス、A型インフルエンザウイルス、肝炎ウイルスといった原因微生物の同定に成功してきた。本研究では、この方法論の感度や効率化向上を目指し、ペプチド核酸(PNA)プローブを用いた標的病原体ゲノムの捕捉後のメタゲノム解析による病原体検出法の開発を行った。ペプチド核酸プローブは通常のデオキシリボ核酸のプローブに比べ、標的配列の結合強度が強く、またDNA加水分解酵素やプロテアーゼなどの消化酵素にも耐性を示す。我々はA型インフルエンザウイルス間で共通に含まれる保存配列を見出し、その配列を標的としたPNAプローブを合成した。このプローブによる標的ゲノム捕捉効率を、インフルエンザウイルスのマウス感染モデルから得られた検体を用いて評価したところ、マウスゲノム比で27倍の効果があることが明らかになった。本研究によりPNAプローブによる病原体標的メタゲノム解析の基礎プロトコルが確立されたので、今後さらにその効率化と網羅性の向上を試みる。
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