2013 Fiscal Year Annual Research Report
中性子照射により広域分子追跡及び定位破壊力をもつボロントレースドラッグの創生
Project/Area Number |
24659566
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀 均 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (90119008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都 義浩 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20304553)
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Keywords | ボロントレースドラッグ / 中性子 / クルクミン |
Research Abstract |
本研究の目的は,中性子照射により広域分子追跡及び定位破壊力をもつボロントレースドラッグの創生である.ボロントレースドラッグは,含有する20%のB-10の中性子捕捉能による莫大なエネルギーによる分子破壊力と放出される即発ガンマ線による高感度トレーサビリティ機能をもつ,全く新しい次世代医薬品である.平成24年度は,スキャフォールド分子としてクルクミノイドを選択し,三フッ化ホウ素をα,β-不飽和カルボニル基に結合させたUTX-51を分子設計・合成し,中性子照射による血清タンパク質BSAの破壊を確認した.そこで平成25年度は,糖尿病患者の症状の悪化や心臓疾患やアルツハイマー病に関与している最終糖化物(AGE)をクリアランスターゲットとして,このAGEモデルとして糖化BSAに対するUTX-51の熱中性子照射による破壊実験を行った.UTX-51と糖化BSAの比率を変化させた混合物に対して熱中性子を照射し,SDS-PAGE電気泳動分析により糖化BSAを評価したところ,非照射群と比較して照射群において糖化BSAに由来するバンド強度の減少が観察された.コントロールと比較して,UTX-51と糖化BSAが同比率群において12%の減少,10倍群において15%の減少,100倍群において33%のバンド濃度の減少が確認された.この結果より,ボロントレースドラッグUTX-51は化学的手法だけでは困難であった凝集タンパク質の破壊を可能とし,糖化BSAを標的とするNDT薬剤として有望であることが示された.
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Research Products
(2 results)