2013 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたスフィンゴ糖脂質による骨・軟骨代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
24659661
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩崎 倫政 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30322803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 雅彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (40374368)
小野寺 智洋 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70547174)
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Keywords | 遺伝子改変マウス / スフィンゴ糖脂質 / 軟骨 / 骨 / 変形性関節症 / 骨折 |
Research Abstract |
細胞膜に存在するスフィンゴ糖脂質(glycosphingolipids、以下GSLs)は、効率的にシグナル伝達を行うためのラフト(rafts)と呼ばれる微小領域を細胞膜上に形成することで増殖、分化、活性化等の細胞機能を調節している。しかし、運動器細胞におけるGSLsの機能的役割は解明されていない。本研究では5系統の異なるGSLs関連合成酵素遺伝子ノックアウト(KO)マウスを用いてGSLsの骨および軟骨組織における機能の解明を目指す。本研究の目的は、①骨、軟骨の形成や機能・形態維持におけるGSLsの機能解析、②マウス骨、軟骨病態モデルにおけるGSLsの機能的役割の解明、の2項目である。 GSLs関連合成酵素KOマウスでは明らかな発育・成長障害を認めなかったが、加齢に伴い有意な軟骨変性の進行が認められた。さらに、軟骨細胞は炎症性サイトカインであるIL-1に対する反応性が上昇しており、これに伴いMMP-13の発現やアポトーシスが亢進した。長管骨骨折モデルにおいては、GSLs関連合成酵素KOマウスにおいて内軟骨性骨化の遷延化が認められた。これらの結果より、GSLsは骨、軟骨組織の形成や発育には重要な機能を有していないことが明らかとなった。しかし、加齢や疾患の原因となる外部からの刺激に対しては、細胞に対する保護的機能を有することが示唆された。 これらの成果は国内外での学会および海外ジャーナルにて発表済みである。
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Research Products
(7 results)