2013 Fiscal Year Research-status Report
網膜色素変性患者の疾患の受けとめ方の変化の過程と再生医療への認識に関する研究
Project/Area Number |
24659771
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
森永 千佳子 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (70620243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平見 恭彦 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, その他 (00462721)
浦尾 充子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (10447972)
日高 庸晴 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (40513586)
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Keywords | 眼科 / 網膜色素変性 / WEB調査 / 患者調査 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究は、網膜色素変性患者(以下、患者とする)の状況に即した支援の構築を目的としている。平成24年度から25年度にかけて、①患者対象の個別インタビューと②網膜色素変性に関係する医療関係者・対人援助職者へのヒアリングを実施し、③より広く網膜色素変性患者の実態を明らかにするための、WEBによる質問調査実施体制をめざし、検討を重ねた。 ①の患者対象の個別インタビューでは、有効な治療法がない当該疾患の患者の疾患への意味づけとその変化の過程に着目し、今後の治療法研究の発展と来るべき臨床応用に備え、特に網膜再生医療に対する認識が疾患の意味づけに及ぼす影響を検討した。 ②では、医療者・対人援助職者対象に、網膜色素変性患者を取り巻く現場で起こっていること・患者の支援として必要と思っていること・今回の試みであるWEB調査によりどのようなことが明らかになると有用であるか言った視点から、ヒアリングを実施した。 ①②を踏まえて、より広く、医療現場につながらない患者にも届く形でのWEBを介した質問調査のための項目を抽出し、網膜色素変性を取り巻く医療・カウンセリング現場、またWEB調査実施に対して見識のある共同研究者と共に、検討を重ねた。 平成24年度に関連領域の情報収集として、本研究の関連領域(眼科・ロービジョンケア・視覚障害相談支援・当事者支援団体等)の学会やシンポジウム、患者支援団体のセミナーに参加し、各領域の興味対象や研究、本研究に関連する課題等の情報収集を実施した。それらの情報と築いた関係性を元に、①~③で抽出した質問調査を実施するに当たり、WEB質問調査の開発の段階で患者支援団体などの協力を得て、Patient Oriented Dataとしての予備調査の実施体制を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、網膜色素変性患者(以下、患者とする)の状況に即した支援の検討を目的としている。 申請時の研究計画における実施スケジュールでは、網膜色素変性患者(以下、患者とする)対象のWEBを介した質問調査の実施を平成25年度中としているが、平成26年度に実施することとする。そのため予定の実施スケジュールよりは「遅れている」と区分した。 現在、WEBを介した質問調査開始時期が年度を越えてずれ込んだが、実施のめどが付きつつある段階である。達成度としては結果を示すに至っていないが、質問調査を平成26年に実施し、調査内容と調査実施体制の評価を含め、結果を示していく予定である。調査の実施体制の構築に時間を要したのは、患者の状況に即した調査を目指す本研究の目的を達成するために不可欠な検討であり、引き続き進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
WEBを介した質問調査の実施体制の構築に時間を要したため、調査開始時期を平成26年度に延期し、時期的にずれ込んだが、実施のめどが付きつつある。推進方策としては、調査期間を4か月間程度と設定し、その後の解析のための時間を確保し、平成26年度に引き続き進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画において平成25年度に実施予定であった「患者対象のWEBを介した質問調査」の実施を平成26年度実施としたため、次年度使用額が生じた。理由は大きく分けて下記2点である。 一点は、平成24年の患者個別インタビューの実施期間を延長させ、平成25年度にも引き続き実施したため、WEBを介した調査の質問項目の検討時期も後にずれ込んだ。 もう一点は、【研究実施実績】の欄に記した「③より広く網膜色素変性患者の実態を明らかにするための、WEBによる質問調査実施体制をめざし、検討を重ねた」段階で時間を要した。本研究は網膜色素変性の疾患特性にあった調査を目指しており、対象者の症状と進行・経過が様々であるという疾患特性から質問項目の選定に慎重な検討と配慮を要した。さらに、見えにくさにもバリエーションがある対象者に依頼するため、調査システムの側面からも質問機能の設定・開発にも検討を重ねる必要があった。 調査実施体制構築に時間を要したため、調査開始時期を平成26年度に延期するが、調査に当てる研究費の使用額に変更はないため、当初から予定していた研究費用の内、未使用分を次年度使用とする。平成26年度に「患者対象のWEBを介した質問調査」の実施のための費用として配分し、繰り越して使用する予定である。
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