2013 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン依存的な口腔細菌の全身伝播機構の解析
Project/Area Number |
24659812
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50273694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 豊 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50397717)
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90444497)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50423421)
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Keywords | 口腔常在細菌 / 上皮バリア |
Research Abstract |
シクロデキストリン (CD) は,α-グルカンにシクロデキストリンα-グルカノトランスフェラーゼ (CGTase) を作用させて得られる環状オリゴ糖であり,上皮細胞膜上のコレステロールを包接し,メタロプロテアーゼ依存的な上皮バリア破壊シグナルを誘導する.我々は,数種の口腔レンサ球菌が推定CGTaseを有することをデータベース上で確認した.そこで,本研究では,口腔レンサ球菌由来CGTaseによるCDの産生と口腔フローラによる全身疾患発症との関連性について解析し,CDを介した口腔細菌の全身への伝播,および簡易診断マーカーとしてのCDの可能性を検討することを目的として研究を推進した. 平成24年度までに,Streptococcus pyogenes,S. sanguinis,S. mitis,S. oralisおよび Porphyromonas gingivalisはα-グルカン分解能を有するが,CD産生能を有する菌種はS. pyogenesとP. gingivalisの2種であることを確認した.最終年度には,各菌種の推定CGTaseのアライメント解析を行い,S. pyogenesおよび P. gingivalisは,推定CGTaseのN末もしくはC末にCBM20ドメインを有することを明らかにした.また,S. pyogenesおよび P. gingivalis 由来CGTaseの部分リコンビナントタンパクを用いた解析から,口腔細菌のCGTase活性にはCBM20ドメインが重要であることを証明した. 以上の結果から,口腔細菌のCGTaseによるCD産生は,粘膜上皮の透過性を亢進させ,口腔常在細菌の全身伝播に寄与する可能性が示唆された.
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Research Products
(24 results)