2014 Fiscal Year Annual Research Report
産褥期の乳房緊満に対するキャベツ葉湿布の冷却効果に関する検証
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24660013
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
櫛引 美代子 弘前学院大学, 看護学部, 教授 (70234424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 優子 弘前学院大学, 看護学部, 講師 (10553042)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳房緊満 / キャベツ葉 / 冷湿布 / 産褥期 / 冷却効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】産褥2~3日に発症する乳房緊満に対するキャベツ葉湿布の冷却効果について検証することを目的に、キャベツ葉を用いて、同意を得られた20歳代非妊娠成人女性34名、褥婦3名を対象に冷湿布実験を行った。【方法】(1)非妊娠成人女性の左前腕内側部に冷却したキャベツ葉を貼付し、貼付部位の皮膚表面温度・腋窩温度・鼓膜温度を5分ごとに60分間測定した。同時にキャベツ葉貼付部位の血流測定を行った。対照冷湿布剤としてレタス葉、濡らしたフェイスタオルを用いた。(2)褥婦は緊満状態にある乳房体を包みように冷却したキャベツ葉を貼付し、(1)同様に皮膚表面温度・腋窩温度・鼓膜温度および血流を経時的に測定した。皮膚表面温度測定はサーミスター(芝浦MODERU MGA-Ⅲ)を用い、腋窩温度測定はテルモ体温計予測式C202、鼓膜温度測定はテルモ耳式体温計M30を用いた。血流測定はレーザードップラー(アドバンス製、ALF21D)を用いた。【結果】非妊娠女性のキャベツ葉冷湿布では、皮膚表面平均温度は5分後に1.3℃下降し、15分後まで有意に下降した。30分後から皮膚表面平均温度は上昇傾向が認められた。レタス葉冷湿布では皮膚表面平均温度が5分後に1.2℃下降し、15分後まで有意に下降し、25分後から上昇傾向が認められた。濡れたフェイスタオル冷湿布では、皮膚表面平均温度はタオル貼付5分後に7.7℃の下降が認められ、10分後から徐々に上昇した。腋窩温度、鼓膜温度は、いずれの湿布剤も変化が認められず、血流も顕著な変化は認められなかった。褥婦の場合、キャベツ葉冷湿布5分後にいずれも急速に皮膚表面温度が下降し、10~25分後より徐々に上昇した。緊満著明な乳房例では冷湿布開始時に血流が低値であったが、徐々に血流の増加が認められた。【考察】キャベツ葉冷湿布は緩徐な冷却効果があり、緊満乳房の血流に影響することが示唆された。
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