2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットにおける弾性・慣性・位置エネルギの巧みな利用による動的運動制御法の研究
Project/Area Number |
24680021
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
水内 郁夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60359651)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロボット / 動作実現 / 動的動作 / 力学的エネルギ / 物理的弾性 / 感覚運動系 / 筋骨格型ロボット |
Research Abstract |
H25年度は、(1)運動方程式を時間を遡る方向に向かって解く「時間反転積分法」を提唱した。また、(2)弾性エネルギの活用法(投擲ロボット・跳躍ロボット)、(3)空気圧人工筋駆動ロボットによる実機検証・試行錯誤や、(4)人間のヒューマノイド操縦上達過程を利用した動的運動学習、(5)多関節筋を有する空気圧人工筋ロボットの制御システムの提案、等の研究を行った。 力学的エネルギの観点からの研究の進捗として、複数自由度から成る直列物理弾性を有するシリアルリンクロボットにおいて、力学パラメータを知らずに力学的エネルギを拡大する制御法を提案し、学会発表や論文投稿を行った。日本機械学会における発表に関しては部門表彰を受賞し、日本ロボット学会での発表に関しては研究奨励賞の内定の連絡を受けている。また、力学的エネルギを汎用な評価関数として利用する動的運動(前転・瓦割り)の学習(GA、NN)の研究成果も査読付国際会議等で発表した。 人間の感覚運動系の解析に関しても研究を進め、人間型ロボットのセンサ情報を感じながら直観的に操縦することができるような操縦インタフェースを複数種類試作し、人間が操縦を上達する過程において感覚運動系の発達を全てデータとして記録できる環境を構築した。さらに、実際に瓦割りや回し蹴り等の動的動作を操縦により人間が上達する過程をデータ化し、人間の主観的評価関数を模倣する評価関数の機械学習による学習(ある意味メタ学習)のフレームワークの提唱まであと一歩という段階まで研究が進展している。 また、空気圧アクチュエータの物理弾性と高い出力重量比を活用する自立型ロボットの実現へ向けて、コンプレッサ搭載型空気圧駆動筋骨格ヒューマノイドの開発や、空気圧人工筋の配置最適化手法提案を行い、査読付国際会議発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた各項目に関する研究が全て進捗し成果も上がっている状況である。 特に、H25年度の提唱した「時間反転積分法」は、ブレークスルー的なアイディアであり、現状は初期的な検証が済んだ段階であるが、H26年度に大きく進展することができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であり、集大成として、物理弾性を有するヒューマノイドを2種類(モータ駆動型と空気圧駆動型)開発し、動的動作実現法を実証的に示す。 H25年度に提唱した「時間反転積分法」は、本研究の大課題である「いかにして、力学的エネルギをある特定の瞬間にある特定の要素に集中させるか」という問題に対する、一般的解決策をもたらす可能性の高い、非常に有望な手法であり、本研究の成功が見えてきている状況である。 集大成的な成果を示したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、3年間のどこかでブレークスルー的なアイディアに着想することを目指し、様々なアプローチを平行に進めるという計画であった。そして、ブレークスルー的なアイディアに着想した際にそれに基づき一気に予算を使って総合的な実験が可能なロボットを開発するという見通しであった。 当初の計画では、ブレークスルー的なアイディアに着想できるかどうか、着想できるとしたらいつ頃になるか、などは見通せなかったため、初年度にアイディアを着想した場合を想定した予算計画にしてあった。 結果的に、3年計画の2年目である平成25年度に着想した「時間反転積分法」がこれに相当すると考えており、3年目である平成26年度には、集大成として成果を示すべくロボットの開発に予算を多く使いたいために、2年目の予算を未使用の状態にして3年目に使用することとした。 物理弾性を活用した動的動作実験のための人間型ロボットを2種類開発する。モータバネ直列型と空気圧駆動型の2種類である。これらの制作部品を購入する。 また、運動学習実験用に用いていた市販の小型ヒューマノイドNAOは5年前より使用しており老朽化しているため、平成26年度の6月頃を目処に新型を調達する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Design Approach of Biologically-Inspired Musculoskeletal Humanoids2013
Author(s)
Yuto Nakanishi, Shigeki Ohta, Takuma Shirai, Yuki Asano, Toyotaka Kozuki, Yuriko Kakehashi, Hironori Mizoguchi, Tomoko Kurotobi, Yotaro Motegi, Kazuhiro Sasabuchi, Junichi Urata, Kei Okada, Ikuo Mizuuchi, Masayuki Inaba
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Journal Title
International Journal of Advanced Robotic Systems
Volume: 10
Pages: 1-13
DOI
Peer Reviewed
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