2013 Fiscal Year Research-status Report
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24683002
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
中島 琢磨 龍谷大学, 法学部, 准教授 (20380660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 沖縄返還 / 日米安保体制 / 日本外交史 |
Research Abstract |
本年度はおもに以下の作業を進めた。 (1)1969年の日米共同声明と佐藤首相のナショナル・プレス・クラブ演説とを通じて、日本政府は、朝鮮半島有事と台湾海峡有事が生じた際の対応を政策として公にした。こうした沖縄返還合意に伴う日本政府の決定は、ニクソン政権による対ソ・デタント、ベトナム政策、対中政策と、どれだけ連関性があったのか。本年度はこれらの論点について、関係する海外文献の再整理を行い、重要資料の読み込みを進めた。 (2)1970年から1971年にかけての沖縄返還協定交渉を検討した。とくに尖閣諸島の領有権問題をめぐる日米協議について、協定第一条に関する合意議事録の作成過程を検討した。引き続き事実関係の整理を進める予定である。 (3)いまから振り返った時、安保改定と沖縄返還とを通じて、日米安保体制の法制度上の基本枠組みが定まっていたと言える。そのプロセスでは、①米ソ冷戦構造、②日米の対等性を求める日本の政策形成者の志向性、③革新勢力と世論による政権への圧力、などが重要な意味を持っており、本年度、これらについて拙稿で示した。一方、この枠組みが果たして現在まで続いているのか、あるいは別途の変遷が生じているのか、引き続き検討を進める必要がある。 そのほか、外務省外交史料館において、関係する青ファイルの閲覧と撮影を進めた。また国立国会図書館において、「石橋政嗣関係文書」、「海原治関係文書」、「日本社会党国民運動局旧蔵資料」などの目録調査・閲覧、及び新聞資料の閲覧を行った。加えて、元外務省関係者へのインタビューを実施した。研究内容について、関西政治史研究会、京産大世界問題研究所研究会、同時代史学会関西研究会、日本国際政治学会関西例会、日本防衛学会などでの報告の機会を得、今後の研究の課題点を把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・ニクソン政権の対日政策に関する資料の整理と、沖縄返還協定交渉に関する事実関係の整理が進んだことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
・沖縄返還協定交渉に関する日米の文書の読み込みと整理を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
史資料の新規購入及び調査旅費の一部を次年度に回したため。 史資料の新規購入及び調査旅費として使用する予定である。
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Research Products
(8 results)