2013 Fiscal Year Research-status Report
政権交代に伴う教育政策過程・内容の変容に関する実証的研究
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24683029
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
荒井 英治郎 信州大学, 全学教育機構, 准教授 (60548006)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 政権交代 / 教育政策過程 / 教育振興基本計画の策定 / 少人数学級の推進 / 教員養成制度の改革 / オーラル・ヒストリー / いじめ対策 / 教育再生実行会議 |
Research Abstract |
本研究は、政権交代に伴い教育分野の政策過程・政策内容がどのように変容したのか、あるいは、変容しなかったのかを実証的に明らかにするものである。 平成25年度においては、自民党政権時及び民主党政権時の政策過程の構造的特質を概括した上で、教育政策のマクロトレンドを論じた。また、教育政策に関与したアクターとして、現役の文部科学省関係者、教育団体、マスメディア関係者に対するオーラルヒストリーを実施し、報告書を作成・公刊した。 第1に、政策過程に関しては、度重なる政権交代を通じて重要な政策課題であり続けた「いじめ」対策をめぐる政策過程、そして政権交代後の教育政策決定プロセスの特徴と課題を論じた。 第2に、政策内容に関しては、教育政策過程の中核を担う現役の文部科学省関係者、教育団体、マスメディア関係者に対して実施したヒアリングから得られたオーラル・データを再構成し、調査研究報告書として刊行した。具体的に取り上げたアジェンダは、教育基本法の改正、教育振興基本計画の策定、地方分権改革、規制改革、構造改革、学校設置主体の多様化、学校運営協議会、コミュニティ・スクール、小・中連携、小・中一貫教育、産学連携、許認可行政、生涯学習、国立大学の法人化と統合、学習指導要領、職業能力開発、学校評価制度、キャリア教育、新しい公共、熟議、震災復興など、その多くは今次の教育制度に大きなインパクトを与えたものばかりであり、登場するアクター(内閣府、大蔵省・財務省、労働省・厚生労働省、経済産業省、総務庁・総務省、金融庁、民間議員、文教族など)、活用されたアリーナ(中央教育審議会、規制改革委員会、総合規制改革会議、構造改革特区推進室、教育改革国民会議、教育再生会議、教育再生懇談会など)も、現代教育政策の輪郭を描く象徴的なものとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予算執行を最小限に抑えつつも、当該研究に関連する論文等を複数執筆することができたと同時に、次年度に公表予定の論文執筆にも着手することができた。また研究の進捗状況として、調査研究報告書を2冊公刊することができ、一定の研究成果を継続的に向上する事ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度においても旅費等を中心とした予算項目の執行を最小限に抑え研究遂行を効率的に行うことができた。今後はこれまでの研究を基盤としつつ、研究成果を取りまとめていく段階にシフトしていく予定である。当該期間において、政権交代が相次いだため研究対象も自民党政権から民主党政権への政権交代に留まらず、その後の自民党政権への政権交代をも研究対象に据えていくことも想定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度においては、旅費等を中心とした予算項目の執行を最小限に抑え、効率的な研究を行うことができた。その一方で、ヒアリングの実施時期が、調査対象者のスケジュールの都合から若干年度の後半にずれ込んだため、次年度使用額が生じた。 平成26年度においては、一定程度ヒアリングのスケジュールが確定していると同時に、ヒアリングのテープ起こしに関して、専門業者との定期的な打ち合わせを行うことにしたため、予算執行はスムーズにいくものと思われる。また当該調査期間の途中の報告書の作成についても検討を行うことで、次年度使用額を積極的に活用する計画をたてている。
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Research Products
(6 results)