2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24686011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮地 悟代 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (30378905)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザー加工 / フェムト秒レーザー / ナノ構造 / 窒化ガリウム / 表面プラズモンポラリトン |
Research Abstract |
高強度なフェムト秒レーザーパルスを照射することによって固体表面に励起される表面プラズモンポラリトンとそれに付随した近接場を空間制御するため、レーザーの照射条件(入射角、パルスエネルギー、パルス数)を精密に制御した結果、窒化ガリウム表面に均一で直線性の良いナノ格子を作製することに成功した。具体的には、Ti:sapphireレーザーシステムから出力される中心波長800nm、パルス幅10ofs、繰り返し10Hzのレーザーパルスを2ステップのアブレーションプロセスに用いることにより、窒化ガリウム表面に周期190nm、深さ600nmの周期構造を形成した。電子回折像および格子像によると、この表面構造は結晶で構成されていることも分かった。さらに、試料の初期表面形状、レーザーの照射条件により、表面プラズモンの励起モード変化させ、10nmオーダーで制御できることを初めて明らかにした。レーザー光による光プロセスは原理的に光の波長以下の構造を形成することができないが、以上の成果はフェムト秒レーザーで励起される表面プラズモンのモードを適切に制御できるようになれば、入射波長よりもずっと小さな構造を大気中にて作製できる新しいナノ加工技術へ発展することを示している。得られた成果は、次世代のレーザーナノ加工技術として2012年10月24日付の国際光工学会のトップニュース(SPIE Newsroom)でプレス発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、フェムト秒レーザーによる固体表面(誘電体および半導体)への表面プラズモン励起とそれに付随した高強度な光近接場によるナノアブレーションをモデル化し、実証することに成功している。さらに、表面プラズモンの励起モードを制御することにより、周期サイズを10nmオーダーで制御することに初めて成功したことは、当初の計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りの進捗状況であるため、当初計画通りに進めていく予定である。これまでに行ってきたナノ加工は、レーザースポット内部の数100ミクロンの範囲にしか形成できなかったため、今年度はmmオーダーの範囲に加工ことを目指すべく実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
加工領域の結合構造を分析するため、スペクトルマッピング可能な顕微ラマン分光装置を作製する。そのための電気および機械部品を購入する。
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