2012 Fiscal Year Annual Research Report
半極性GaN/Si上へのInGaN高圧成長及び歪制御によるLDの作製
Project/Area Number |
24686041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本田 善央 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60362274)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GaN / InGaN / Si基板 / MOVPE / レーザー構造 |
Research Abstract |
本研究では、InGaN発光層の偏光を制御および、高圧InGaN成長を用いた成長温度高温化によるInGaN結晶の高品質化により、長波長領域でのレーザーダイオードの高品質化を目指している。 本年度はInGaN成長の高圧化により同条件でのIn取込効率の増大が明らかとなった。また、NH3分解効率の向上、熱伝導の向上により原料種の基板への到達が減少することが明らかとなった。それにともなう装置の改良、成長条件の改善を図り、高圧化で成長が可能な装置の作製を行った。今後改良した装置を用いることで、高品質InGaN結晶の作製を目指す。また、偏光制御にはInGaN層へかかる歪と量子準位を利用する。これは、熱膨張係数に起因する、Si基板上のGaNにかかる一軸性歪、InGaNとGaN格子不整合に起因する歪、InGaN/GaN量子井戸によるInGaN井戸内の量子準位が、In組成、膜厚による効果を全て考慮する必要がある。本年度は、InGaN井戸膜厚を2-9nmと変化し、In組成を変えることで、様々な井戸膜厚の試料について、420-530nmで発光する量子井戸層を作製した。得られた試料に対して偏光を測定することで、450m以上の長波長領域(高In組成領域)においては2nm以上のInGaN量子井戸を用いた場合、偏光方向が結晶のC軸方向に水平になることを明らかとなった。また短波長領域(低In組成領域)では、InGaN膜厚を5nm程度以上にすることで、同様の結果を得ることが可能である事を明らかにしてきた。また、光励起を行い端面からの発光を観察すると、数田/cm2程度の励起強度において、急激な発光強度の増加と半値幅の減少が見られた。このことから、In組成、InGaN膜厚により偏光を制御することで、LD作製が可能であることを示した。しかしながら、現在は閾値が数MW/cm2程度と非常に大きく、電流注入を見据えた場合においては現実的ではないため、今後InGaNの結晶性の改善、層構造の改善を図っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、InGaN加圧成長の条件出し、加工Si基板上(1-101)GaN/InGaN MQWの偏光特性の解析を計画していた。今年度は、加圧MOVPEによるMQWの作製において、青色~緑色発光のInGaN/GaN MQWの作製が可能であった。さらに、In取込の増加が確認され高温成長が期待できることが明らかとなっている。また、MQWの偏光特性解析においては3nm以上膜厚では、450mn以上の波長域において、E//Cの偏光が得られることが明らかとなり、当初の計画通りにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、高圧高温で成長したInGaN結晶の内部量子効率を強度依存PLにより算出し、成長温度の効果を実証する。また、レーザーの低閾値化をめざし、導波路構造の最適化を図る。クラッド層構造の厚膜化、ガイド層の膜厚の検討、偏光の違いによる導波モードの検討を、計算により予測し、実験にて確認していく。
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