2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24687029
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹本 龍也 徳島大学, 藤井節郎記念医科学センター, 助教 (30443899)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の体幹部は、吻側から尾側に向かって発生の進行とともに段階的に形成される。この体幹部組織のうち、中枢神経系の原基である神経管と、骨や筋肉を産み出す体節中胚葉とは、共通の前駆体細胞である体軸幹細胞から産み出されることを、これまでの研究で明らかにした。しかしながら、この体軸幹細胞がどういった細胞外シグナルや、細胞内遺伝子制御ネットワークによって維持され、また、分化の制御を受けているのかは明らかになっていない。本研究では、体軸幹細胞の制御に関与することが示唆されたWntシグナルに着目して、体軸幹細胞の維持と分化の制御を明らかにする。 これまでの研究では作成したWntシグナルレポーターマウスR26-WntVisを用いて、正常胚および種々のWntリガンド変異胚での個々の細胞におけるWntシグナル強度を測定し、また、その細胞での細胞分化マーカーの発現を解析した。この解析によって、Wntシグナル強度と細胞分化との相関を解析した。 また、体軸幹細胞における遺伝子制御ネットワークを明らかにするため、培養システムの構築を行った。体軸幹細胞の前駆細胞であると予想されるエピブラスト(エピブラスト幹細胞)から、培養条件を変化させることで体軸幹細胞様の状態を作り出した。さらに、培養条件を変化させ、神経管、中胚葉への分化を引き起こすことができた。それぞれの細胞における遺伝子発現の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胚の深部の細胞におけるWntシグナル強度を生きた胚で観察することを計画していたが、予定していた顕微鏡システムでは観察が困難であった。このため、観察条件の再検討と予備実験を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
胚の深部におけるWntシグナルを生きた胚で観察する方法を確立して、胚における体軸幹細胞の制御の解析を行なう。また、培養系を活用して、体軸幹細胞での遺伝子制御ネットワークを明らかにする。
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Causes of Carryover |
胚の深部の細胞におけるWntシグナル強度を生きた胚で観察することを計画していたが、予定していた顕微鏡システムでは観察が困難であった。このため、観察条件の再検討と予備実験を行った。このため、以降の研究に遅延が生じ、Wntシグナルレポーターマウスを活用した体軸幹細胞の制御の解析に係る経費に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、Wntシグナルレポーターマウスを活用した体軸幹細胞の研究、および、培養系を用いた体軸幹細胞の制御の研究に充てる。具体的には、マウス胚解析関連試薬800千円、分子生物学関連試薬800千円、実験補助員を雇用するための費用800千円、学内共通機器の使用料として800千円を予定している。
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Research Products
(3 results)