2012 Fiscal Year Research-status Report
赤外線人感センサを用いた住宅管理・制御システムの構築
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24700066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村尾 和哉 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50609295)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキタスコンピューティング / スマートホーム / センサ情報処理 / 赤外線人感センサ / 屋内位置検出 |
Research Abstract |
ユビキタスコンピューティング技術の発展により,スマートホームやスマートオフィスなど環境にセンサデバイスを配置し,人の行動パターンに応じて機器を制御する空間が登場しており,環境内の人物の動作や生活パターンの認識技術の重要性が高まっている.本研究では,安価かつ小型な赤外線人感センサを用いた住宅内人物移動検出手法を提案し,人の行動パターンに応じた効率的な機器の制御および老人の異常行動を検出して住宅を管理する機能を提供するシステムの構築を目的とする.従来までのカメラによる画像を用いず,また住人は一切の機器を身に付ける必要が無いため,本システムがユーザに与える心理的・肉体的負担は小さいと考えている. 平成24年度は,既存の屋内位置推定技術の調査を行った.具体的には,カメラや非接触タグ,無線電波強度,加速度センサ,圧力センサなどを用いた屋内位置推定技術がこれまでに提案されており,それらの技術に対してセンサを物理的に設置する構築コストや位置推定アルゴリズムに必要なデータ収集やパラメータチューニングのための開発コスト,導入後のコスト,家じゅうの至る所にセンサが配置されていることによる住人への精神的負担や付加的な作業を強いることによる肉体的負担などの観点から特徴を洗い出した.上記調査結果は電子情報通信学会解説論文として出版されている.並行して,すでに実現されている最新住宅に関する調査を行い,近い将来の住宅に標準的に導入されると予想されるセンサやネットワークの情報収集を行った.その結果,赤外線人感センサを用いたアプローチが有効であると考え,実験住宅において赤外線人感センサを配置したセンサネットワーク環境を構築し,24時間の生活データを採取した.採取したデータを解析した結果は1件の国際会議に採録され,発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では,安価かつ小型な赤外線人感センサを用いた住宅内人物移動検出手法を提案し,人の行動パターンに応じた効率的な機器の制御および老人の異常行動を検出して住宅を管理する機能を提供するシステムの構築を目的としている. 平成24年は,まず,既存の屋内位置推定技術の調査を行った.調査結果は電子情報通信学会解説論文として出版された.また,赤外線人感センサを用いた住宅内移動検出手法を提案した.加えて,赤外線人感センサを実際の住宅に設置して,赤外線人感センサネットワークを構築し,実際の生活データを採取した.採取したデータを解析した結果,高い精度で人物の移動を検出できることを確認し,その成果は1件の査読付き国際会議に採録されている. 当初の計画では平成24年度終了時点では関連技術の調査および環境の整備を行うことを目標としていたが,データ採取およびその解析,研究成果の発表まで行っており,これらのことからも本研究課題は当初の計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアルゴリズムの改良を行う.具体的には,フィルタや機械学習アルゴリズムをリストアップし,初期システム構築コスト,認識速度,認識精度,システム構築後の改変コストなどを比較し,最適なものを選択するか,複合的に利用し,本研究に特化したものに改良する.家の間取りはシステム構築後に変化しないと想定するが,家族構成や生活スタイルは変化するためシステム構築後の改変コストの考慮は必須である.また,人感センサから得られる情報量は小さいため,複数の住人の連続した移動を直接推測することは困難である.そこで,第一段階として断片的な移動情報の検出を行う.また,導入コストの削減のために移動検出アルゴリズムの教師データの自動生成ツールを構築する.教師データは間取りやセンサ配置,移動時に通る経路パターンから人工的に生成でき,このようなデータに対応するためにンプレートマッチングやHMM(Hidden Markov Models)などの手法が有効であると考えている.平成25年度第2四半期末までに移動検出を行う中間システムβ版を完成させ,研究室を改造した擬似住宅において性能試験および第一次実証実験を行い,改良・デバッグを行う.並行して,断片的な移動情報の連結および移動体の推定アルゴリズムを確立する.具体的には,移動情報を各住人の現在地をもとに連結し,過去に取得した移動パターンから最尤推定を用いて移動主を特定する.教師データとし,移動主の情報は外部から与える必要があるため,特定の部屋を利用しやすい住人の情報などを利用する.実証実験では,単純に実装したシステムが正常に稼働するかを確認するだけでなく,センサの配置方法がシステムに与える影響も調査する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実証実験用サーバおよびそれらとセンサデバイスを住宅内で接続するケーブル等電子部品が必要となり,それぞれの購入に15万円と20万円の使用を計画している.また,実証実験において複数の被験者の行動を同時に監視するためのデジタルカメラの購入に5万円の使用を計画している.情報収集や研究成果発表のための渡航旅費として国内で30万円,海外で30万円の使用を計画している.また,研究成果を学術雑誌に掲載するための投稿料や実証実験に必要な印刷費等として計10万円の使用を計画している.
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[Presentation] HASC2012corpus: Large Scale Human Activity Corpus and Its Application
Author(s)
N. Kawaguchi, H. Watanabe, T. Yang, N. Ogawa, Y. Iwasaki, K. Kaji, T. Terada, K. Murao, H. Hada, S. Inoue, Y. Sumi, Y. Kawahara, N. Nishio
Organizer
Second International Workshop of Mobile Sensing: From Smartphones and Wearables to Big Data(Held with IPSN2012 and CPSWeek 2012)
Place of Presentation
Beijing China
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[Presentation] 大規模人間行動センシングコーパスHASC2012corpus の概要とその応用
Author(s)
河口信夫, 渡辺穂高, 楊天輝, 小川延宏, 岩崎陽平, 梶克彦, 寺田努, 村尾和哉, 羽田久一, 井上創造, 川原圭博, 角康之, 西尾信彦
Organizer
情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO 2012) 論文集
Place of Presentation
石川
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