2013 Fiscal Year Research-status Report
赤外線人感センサを用いた住宅管理・制御システムの構築
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24700066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村尾 和哉 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50609295)
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Keywords | ユビキタスコンピューティング / スマートホーム / センサ情報処理 / 赤外線人感センサ / 屋内位置検出 |
Research Abstract |
ユビキタスコンピューティング技術の発展により,スマートホームやスマートオフィスなど環境にセンサデバイスを配置し,人お行動パターンに応じて機器を制御する空間が登場しており,環境内の人物の動作や生活パターンの認識技術の重要性が高まっている.本研究では,安価かつ小型な赤外線人感センサを用いた住宅内人物移動検出手法を提案し,人の行動パターンに応じた効率的な機器の制御や老人の異常行動を検出して住宅を管理するなどの機能を提供するシステムの構築を目的とする.カメラ映像を用いておらず,また住人は一切の機器を身につける必要が無いため,本システムがユーザに与える心理的・肉体的負担は小さいと考えている. 平成25年度は,実験住宅において赤外線人感センサを配置したセンサネットワーク環境を構築し,24時間の生活データを採取した.また,人感センサに特化した移動検出アルゴリズムを提案し,採取したデータを用いて評価した.その結果,ユーザが密となる箇所で,ユーザの追跡が困難となることが明らかとなった.そこで,これに対して,ユーザが密集するような箇所に設置されている家具などにセンサデバイスを設置し,ユーザを識別するアプローチを試みた.その初期段階として,リビングのテーブルに荷重センサを設置し,天板上で行わている動作を識別できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
安価かつ小型な赤外線人感センサを用いた住宅内人物移動検出手法を提案し,人の行動パターンに応じた効率的な機器の制御や老人の異常行動を検出して住宅を管理するなどの機能を提供するシステムの構築を目的としている. 平成25年度は実験住宅において赤外線人感センサを配置したセンサネットワーク環境を構築し,24時間の生活データを採取した.また,人感センサに特化した移動検出アルゴリズムを提案し,採取したデータを用いて評価した.その際に発生する検出困難な事例に対処するために,家具にセンサを設置するという異なる角度からのアプローチを試みた. 当初の計画では,平成25年度終了時点では第一次実証実験と並行してシステムの改良およびデバッグを行うことを目標としていたが,第一次実証実験は既に終了し,当初の計画では平成26年度の第3Qに行う予定であったシステムの改良の段階に入っており,これらのことからも本研究課題は当初の計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,システムの改良を行う.具体的には赤外線人感センサで可能な部分と困難な部分を洗い出し,困難な部分に関しては付加的なデバイスやシステムを導入することを計画している. また,現在は実験住宅でデータ採取を行っているが,一般家庭やオフィス,研究室などでも容易にデータ採取やシステムの提供を行えるように,設置が容易なデバイスの実装も行う予定である.平成25年度第4四半期中にデバイスの実装が完了し,今年度中には実装したデバイスを用いてさまざまな環境でデータ採取を行い,提案してきた人物移動検出アルゴリズムの性能および汎用性を検証する.データ採取では,住宅やオフィスなどの場所を変えるだけでなく,センサの設置場所,角度,人物構成,移動パターンを変えて,数週間程度の長期のデータを採取する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子部品を購入予定であったが,出荷手続の遅延により本年度内の予算執行が困難となり,キャンセルしたため. 次年度に当該電子部品を再度購入し,当該助成金を適正に執行する.
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