2013 Fiscal Year Research-status Report
嚥下メカニズムの解明による喉ごしの定量評価法の開発
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24700217
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
三輪 洋靖 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 主任研究員 (30367073)
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| Keywords | 感性計測評価 / 嚥下 / 嚥下音 / 筋電 / モデル化 / 嚥下感覚 / 喉ごし |
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| Research Abstract |
平成25年度は、飲料物の嚥下時の嚥下音および筋電データを用い、嚥下モデルと主観的評価である喉ごしの関係の解明を目指し、特に、以下の2点に重点を置いて研究を進めた。
(1) 嚥下方法の推定方法の構築：平成24年度に計測した舌骨上筋群、舌骨下筋群および咬筋の筋電と甲状軟骨の側部の嚥下音に関するデータを用い、嚥下方法の推定方法を検討した。まず、嚥下音に対してWavelet変換による時間・周波数解析を適用し、特徴量として同係数が閾値以上となる部分の時間（嚥下音発生時間）と面積（ハイパワー部面積）を求めた。また、筋電に関する特徴量として閾値以上の筋電が出力された時間（筋電活動時間）を求めた。得られた特徴量に対して統計処理を行った結果、嚥下音発生時間、ハイパワー部面積、筋電活動時間には、試料間に統計的有意差があり、同指標を計測することで、嚥下方法の違い、特に嚥下に要する時間の違いを計測できることが分かった。さらに、嚥下音発生時間、ハイパワー部面積と筋電活動時間の間には類似した傾向があることが示唆された。数学的に記述するには至らなかったが、今後、オトガイ舌骨筋、舌骨胸骨筋の活動時間の傾向を嚥下音より推定できるようになると考える。
(2) 嚥下における主観的評価である喉ごしと嚥下方法の関係の解明：(1)で得られた特徴量を用い、炭酸強度の違い(強・弱・なし)と嚥下方法の関係を解析した。被験者の主観は水＜弱炭酸水＜強炭酸水の順で刺激感および炭酸強度が強くなったが、嚥下音発生時間は強炭酸水＜水＜弱炭酸水の順で大きくなり、強炭酸水－弱炭酸水間で統計的有意差を確認できた。本結果より、ヒトの嚥下感覚は摂取する試料の刺激強度に対して上に凸の特性を持ち、試料が持つ刺激強度と喉ごしの情報から喉ごしが快の場合は嚥下時間が長く、喉ごしが不快の場合は嚥下時間が短くなるよう、嚥下方法の選択に無意識的な介入が働くことが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画では、嚥下方法の推定方法の構築、嚥下における主観的評価である喉ごしと嚥下方法の関係の解明の2つの課題について重点的に取り組む計画であった。この計画に対し、それぞれの項目について計画とほぼ同程度の進捗と成果を得ることできた。以上より、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成２６年度は、これまでに得られた成果を統合し、嚥下音による喉ごし評価システムを開発することを目的とする。また、嚥下における筋活動・嚥下音の計測については継続的に実施し、計測ノウハウと知見の蓄積を行う。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、国際会議での成果発表を計画していたが、投稿を見送ったため、旅費を大幅に圧縮することができた。また、計画よりも少ない実験被験者数で本年度の成果が得られたため、実験に関わる費用(消耗品費、謝金等)を圧縮することができた。
本研究で実施する嚥下時の筋活動・嚥下音計測実験では筋電計測・嚥下音計測システムおよび解析ソフトウェアが必須となる。平成26年度は筋電および嚥下音の分析に使用する数値解析ソフトウェアMATLABの年間ライセンス、計測装置の改良・保守に必要な部材、喉ごし評価システムの開発費用、計測に必要な表面電極、実験試料、実験用容器等、データ保存用のHDD等の消耗品、文献資料の購入・調査費用および実験協力者への謝金に使用する。さらに、成果発表として国内外での学会発表、研究調査のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)
