2013 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンリン酸化シグナルを介したオリゴデンドロサイトの分化メカニズムの解明
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24700387
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
久保山 和哉 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, NIBBリサーチフェロー (20619671)
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Keywords | 神経科学 / 蛋白質チロシン脱リン酸化酵素 / チロシンリン酸化 / オリゴデンドロサイト / 脱髄疾患 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、オリゴデンドロサイトの分化・成熟、ミエリン形成および、脱髄疾患時における再ミエリン化に関わるチロシンリン酸化シグナル伝達機構の解明である。前年度までの研究では、受容体型蛋白質チロシン脱リン酸化酵素に属するPtprzがオリゴデンドロサイトの分化・成熟、(再)ミエリン化を抑制することを明らかにした。Ptprzの遺伝子欠損マウスでは、脳梁部の髄鞘形成時期が早まっており、Ptprz欠損マウス由来の初代培養オリゴデンドロサイトは野生型に比べて分化・成熟が促進していた。さらに、脱髄疾患病態モデル(実験的自己免疫性脳脊髄炎; EAE)において、Ptprz欠損マウスは脱髄症状が軽微であり再ミエリン化の抑制作用も判明した。これらの成果はPLoS ONE誌に発表した。 当該年度は、脳内ミエリン形成開始時期を中心にPtprzシグナルに関わる分子の発現変化の詳細をウエスタンブロット解析によって明らかにした。Ptprzの細胞外リガンド分子がオリゴデンドロサイトの分化・成熟へ与える影響を評価すると同時に、リガンド刺激時のオリゴデンドロサイト細胞内の基質分子のチロシンリン酸化の評価解析を行った。この成果をまとめることで、オリゴデンドロサイトの分化・成熟に関わるリガンド分子→Ptprz→基質分子というシグナル伝達機構が解明できると考えている。
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Research Products
(4 results)