2013 Fiscal Year Annual Research Report
学習が引き起こす海馬神経回路可塑性のin vivo二光子イメージング
Project/Area Number |
24700403
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 正晃 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (90518325)
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Keywords | 脳・神経 / カルシウムイメージング / 二光子レーザー顕微鏡 / バーチャルリアリティ / マウス |
Research Abstract |
本年度は、前年度の仮想直線路課題の発展型として、学習と記憶に伴う神経回路活動をイメージングするための仮想空間課題学習を開発した。この課題の概要は以下のようなものである。顕微鏡下に頭部固定されたマウスはバーチャルリアリティ環境内に設定された仮想直線路を一方向に移動し、途中の目標地点で報酬を得る。直線路の反対端に達したマウスは再びスタート地点に置かれ、同一のタスクを繰り返す。直線路には、その外側に3つの大きな物体を配置し(遠位手がかり)、加えて目標地点の壁と床の模様を変えることで(近位手がかり)、2種類の異なる視覚的場所手がかりを設定しておく。マウスは最初、目標地点を通過したときに直ちに報酬が与えられる条件(非遅延課題)で数回訓練し、この仮想直線路で歩行することを学習させる。次に目標地点で一定時間(通常1~2秒)停止したときのみ報酬が得られる条件(遅延課題)に切り替えて訓練を続け、特定の場所を認識することを学習させる。 このような課題を遂行しているマウスの海馬の神経回路活動を、前年度確立した覚醒行動中のマウスからの二光子カルシウムイメージング法で画像化した。 得られた画像から個々の細胞の形態と活動時系列を自動画像解析プログラムによって抽出し、行動のデータとの相関を解析すると、一部の細胞集団が場所特異的な細胞活動を示すことが確認できた。次に、学習の過程に伴う神経回路活動の変化を解析するために、同一細胞集団の活動を追跡観察する慢性イメージング実験を行った。現在は、異なるセッションで得られた細胞活動の地図を比較するための解析法を検討している段階である。研究期間内に実験系の確立とデータの取得を行うことができたので、今後の解析により、学習に伴う海馬神経回路活動の可塑的変化が明らかになると期待できる。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Hippocampal CA1 network dynamics during locomotion in virtual reality2013
Author(s)
Masaaki Sato, Kotaro Mizuta, Masako Kawano, Takashi Takekawa, Tanvir Islam, Hiroshi Yamakawa, Yoko Yamaguchi, Tomoki Fukai, Masamichi Ohkura, Junichi Nakai, Yasunori Hayashi.
Organizer
Society for Neuroscience 43rd annual meeting
Place of Presentation
米国カリフォルニア州サンディエゴ
Year and Date
20131109-20131113
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