2012 Fiscal Year Research-status Report
歩行周期内の歩行速度の変化を用いた歩行能力の定量的評価手法に関する研究
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24700471
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Research Institution | Hyogo Assistive Technology Research and Design Institute |
Principal Investigator |
原 良昭 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, その他部局等, 研究員 (00426545)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歩行分析 / 床反力 / 生体情報・計測 / 歩行速度 / 加速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,科学的根拠に基づく医療を推進するために,脳血管障害片麻痺者(以下,片麻痺者)を対象とした歩行能力の定量的評価手法を開発することである.本研究では「歩行速度の変化」に着目しているため、開発された評価手法は片麻痺者の歩行能力に特化したものではなく義足歩行や変形性関節症など他の疾患の歩行能力も同一の評価軸で評価できるようになるものであり、このように本研究で開発する評価手法は科学的根拠に基づく医療を推進するために意義深いものである. 平成24年度では歩行計測および解析用ソフトウェアの作成を行った。 歩行計測では7名の片麻痺者(下肢のBr.Stage:IIIが4名、IVが3名)および10名の健常者の歩行を計測した。片麻痺者は裸足での歩行、自分の装具での歩行、こちらで指定した装具(3パターン)での歩行の計5歩行をそれぞれ2回ずつ2日間で行った。健常者は自由歩行での計測を2回以上行った。歩行計測で計測した項目は、被験者が10mの歩行路を歩行したときの床反力、加速度(下腿、大腿、尾骨付近および腰部)、身体各部の三次元座標である。歩行路には歩行開始位置から4.5m離れた場所に2枚の床反力計(0.6m×1.2m)が埋め込まれており、両下肢の床反力は個別に計測されている。 作成した解析用ソフトウェアは、腰部の加速度信号から求めた速度と腰部の三次元座標の変位から求めた速度の相関係数を求めるものである。加速度信号から求めた速度と座標の変位から求めた速度は異なっていた。これは被験者の進行方向と加速度計の感度方向が一致していないことで生じたと考えられる。歩行速度間には相関が見られており、この結果から加速度計を用いて歩行速度の変動傾向が得られることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の片麻痺者の歩行計測数が申請時の予定を下回っている。これは研究協力者の異動および退職により実験に協力して頂ける片麻痺者のコーディネートといった研究体制に問題が生じたので、平成24年度上半期を研究体制の再構築に費やす必要があったためである。 また、加速度計を内蔵した携帯型の計測装置の作成は、PC上で行っている信号処理をマイコンで行わせる箇所でプログラム的な課題が発生しており携帯型の計測装置が完成していない。 これらの理由により本研究の進捗はやや遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では大幅な異動や退職が無かったので現研究体制下で片麻痺者の歩行計測を継続しデータの蓄積を行う。 加速度計を内蔵した携帯型の計測装置を作成する上での問題点は、現在、PCで行っている信号処理をマイコンで実行させられるかである。平成25年度では、申請時に考えていた加速度計と信号処理システムが内蔵されている携帯型計測装置といった独立型に加えて、PCに無線で信号を送ってくる加速度計を用いて信号処理と表示をタブレットPCで行う形式の開発も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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