2013 Fiscal Year Annual Research Report
3次元脳回路モデルの再構成技術と神経伝達物質のリアルタイム計測技術の開発
Project/Area Number |
24700485
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 郁郎 東京工科大学, 応用生物学部, 助教 (90516311)
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Keywords | 3次元培養 / 神経回路 / 組織モデル / 神経伝達物質 / カーボンナノチューブ / 多電極アレイ / 電気化学 |
Research Abstract |
本年度は、平成24年度で得られた結果を踏まえ、脳神経回路の3次元培養技術と神経細胞から放出される神経伝達物質をリアルタイムに計測可能な平面微小多電極アレイチップの開発を進めた。具体的な成果は以下のとおりである。 1.脳神経回路の3次元培養技術の開発 コラーゲンゲル繊維の配向技術とPDMSマイクロチャンバを用いて細胞体位置と神経突起の伸長方向を制御した3次元脳組織モデルの構築を行った。構築した3次元脳組織モデルを非侵襲かつ長期間神経活動をモニタリングできる平面微小多電極アレイ上にマウントし、機能計測を詳細に行った。シナプス薬剤投与により、層間を伝播するスピードおよび同期発火率の変化が顕著に表れたことから、本研究で開発した3次元脳組織モデルは薬剤評価系としての応用が期待される。また、本技術をヒトiPS細胞由来ニューロンに応用し、ヒト細胞を用いた3次元脳回路モデルの作製に成功した。 2.神経伝達物質をリアルタイムに計測可能な平面微小多電極アレイチップの開発 カーボンナノチューブを微小ITO電極上に電気めっきする技術を平成24年度に開発し、本年度は更に詳細な電気めっき条件の抽出および64電極同時めっき法の確立を行った。カーボンナノチューブの分散化条件および電気めっき条件を検討したことで、低インピーダンスの電極作製に成功した。作製したカーボンナノチューブ平面微小多電極アレイチップ上にヒトiPS細胞由来ニューロンが培養できることを確認し、高いS/N比で電気信号が取得できることがわかった。
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