2012 Fiscal Year Research-status Report
国際標準化を目指したいびき解析による無呼吸症候群自動診断システムの開発
Project/Area Number |
24700498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
榎本 崇宏 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (90418989)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 閉塞型無呼吸症候群 / 包絡線情報 / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
閉塞型無呼吸症候群(OSAS)はいびきを引き起こし,生活習慣病の引き金になるといわれている。現在,OSASは睡眠ポリグラフ検査により確定診断が行われる。しかしながら,一晩,複数のセンサを装着する患者に負担を強いるものである。いびき解析による自動OSAS診断システムが開発されれば,非接触で自宅にて診断可能であることから,睡眠ポリグラフ検査に代わる新しい方法として期待されている。そのため,自動OSAS診断システムの開発を進めることは重要な研究課題であると思われる。平成24年度は,大きく分けて,主に2つの研究を進めてきた。まず,①ニューラルネットワーク(NN)を用いた低SNRのいびき・呼吸音区間検出法を提案していたが,NNの初期値によっては,検出精度が劣化することが分かった。そこで,前向き予測結果,後ろ向き予測結果を用いて,この問題の改善を図り,高精度にいびき・呼吸音を検出することを可能とした。②本研究では,睡眠音(いびき,呼吸音など)からいびきだけを抽出する必要があるため,いびき・呼吸音・分類法の開発を行ってきた。信号波形から包絡線情報を数値化したパラメータ:PNAR(正負振幅比)を提案し,そのPNARをもとに,いびき・呼吸音を精度良く分類する方法を開発した。提案法は,いびきの種類に関係なく利用可能であり,提案法を用いることにより,従来法であるゼロ交差率(ZCR)で分類した場合に比べて高い精度で分類できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,研究を進め,英文誌,国内外の学会発表で成果報告を行った。学会発表では採択率の低い国際会議に採択され,研究成果報告を行った。また,著名な英文誌に論文が掲載されるなど,本研究課題の成果に対して国際的にも高い評価を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
①いびき・呼吸音区間検出法の高速化:低SNRの環境下において,いびき・呼吸音を精度良く検出するアルゴリズムの高速化を行う。 ②睡眠音分類:睡眠時に生じる音(睡眠音)から「いびき」だけを抽出することを目指し,研究を進める。 ③高精度診断方法の開発:生体モデルを用いた新しい診断法の開発を行う。また,日本人の「いびき」ならではの特徴を調査する。 以上の研究から得られた成果をまとめ,論文執筆および国際会議にて研究報告を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多額の次年度使用額が生じているが,このほとんどは,研究費を3月に使用しているが,支払いが4月になっているためである。残りの次年度使用額については,翌年度以降に請求する旅費の一部として有効に使用したいと考えている。
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Research Products
(4 results)